双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?
「……あ、お腹が鳴った」
そう言えば、昨日の夜から何も食べていない。
カーテン越しに入る朝日に、思わず目を細めた。
私、どれくらい寝たんだろう。
たくさん寝たにしては、体がダルいような……。
「え?なにあれ?」
立ち上がって、すぐ。一番に目に入ったのは、大きな青い宝石。宙に浮き、ミラーボールのように規則的に回っている。
しかも、温かい?
手をかざすと、仄かなぬくもりを感じた。そういえば濡れたままの制服が乾いてる。きっと、この宝石のおかげだ。
「青い宝石。王史郎だよね……?」
王史郎の通り名、アオイシ。
青い宝石を使う吸血鬼の彼は、そう呼ばれている。
その彼の化身ともいえる青い宝石に触れる。
人間の体温に似た温度に、ケンカ別れした彼を思い出す。
「王史郎……謝りたいな」
昨日、意地張って怒っちゃった。それなのに王史郎は私を心配して、こうして気遣ってくれる。
ひどい態度とってごめん、って。
今すぐに、謝りたい。