双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?
だけど起こした体は、いつまでも気怠くて。全然歩く気がしない。しかも、なんかゾクゾク悪寒がするし……もしかして風邪引いちゃった?
「最悪だ。王史郎があそこまでしてくれたのに……。何かお腹に入れて、風邪薬を飲もう」
次に、机上に置いてある四角い箱に気付いた。箱、といっても青い宝石で出来たもので、触ると宝石は瞬くまに消えていく。
出てきたのは、今まで冷蔵庫に入っていたのかってくらい、ひんやりしたオムライス。
「そっか。部屋の中が温かいから、腐らないように冷やしてくれてたんだ」
ご丁寧にスプーンまで添えられている。
しかも――
「ふふ、ケチャップでメッセージが書いてある」
オムライスの頂上を見て、思わず笑っちゃった。
歪な文字で「ごめん」って書いてあるんだもん。
「頑張って、書いてくれたんだね……」
私が風邪ひかないように部屋を暖めてくれて。
ケンカした私のためにオムライスを作ってくれて。
ごめんって、先に謝ってくれて。
あぁ、なんだろう。
さっきまでお腹へっていたけど、今けっこう満腹になっちゃった。