双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?


「もったいなくて食べられないなぁ。そうだ!王史郎のスマホで、写真を撮らせてもらおう」


 ガチャ

部屋の扉を開け、階段を降りる――だけど、数段降りて足を止めた。

なぜなら、後ろに人の気配を感じたから。

しかも王史郎でもイオくんでもない、背の高い、大人の気配。


「誰……!?」


バッと振り返ると、ぐにゃりと景色が揺らいだ。
そうだ、私、風邪ひいてるんだった……!

なんとか手すりに掴ま――ろうとして、スカっと空ぶる。「わ!?」何も支えがない私は、頭から階段を落ちるしかない。

衝撃に耐えるため目を瞑った、その時だった。


「君が、運命の子か」

「え――」


黒髪に黒いスーツを着た大人が、落ちていく私を見る。顔に張り付いているのは、笑顔。

運命の子?
なにそれ?
私が、そうなの?
それに、あの笑顔は――


すると頭の中で「さゆ」と声がした。
しっかりしろと言わんばかりの、凛とした、王史郎の声だ。

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