双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?


「わ、分かった!」


王史郎のピリピリしたムード。
昨日とは比べ物にならない、禍々しいオーラだ。

最強吸血鬼の王史郎が、そこまで警戒する相手って、一体?


「王史郎、この人は誰?」

「……っ」


顔を歪める王史郎とは反対に、無口を貫いていた大人がニタリと笑う。


「久しぶりだね王史郎。イオは元気かな?」

「え、知り合い?」

「……」


呆気にとられる私を見て、大人は目じりの〝笑いシワ〟を深くした。言っちゃダメだけど、かなり薄気味悪い笑みだ。


「うん?その様子だと、お嬢さんは聞かされていないのか。

僕は、モク。
王史郎とイオの父親だよ。

九年前――実の子供・王史郎に封印されてから、今まで眠っていたんだ」

「……へ?」


いま聞いたことって本当?
この人が、王史郎とイオくんの父親?
私が階段から落ちる時、手を差し伸べることなく笑っていた、この人が……?

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