双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?


「王史郎……」


ウソだよね?と聞こうとした。
だけど、出来なかった。

なぜなら王史郎の瞳は青くかわり、既に吸血鬼モードになっていたから。

しかも青い宝石で、次々と武器を作っている。前、学校で生徒たちと戦った武器じゃない。今度の武器は、剣。正真正銘、相手を傷つけるための武器だ。


「さゆ、ここから離れろ。下に行けばイオと合流するから、行け」

「で、でも!」


王史郎が強いと知っている。
誰にも負けない吸血鬼だって知ってる。

でも戦う相手は、お父さんでしょ?
お父さん相手に、剣を向けるの?

さっき王史郎は「やっつけるぞ」って言った。
でも、それって、自分の父親をやっつけるって事だよね?


「王史郎……」

「これは、俺がやらないといけない事なんだ」

「!」


静かな闘志。
平坦な声色。

ねぇ、王史郎。
あなた今、どんな顔してるの――?

< 94 / 154 >

この作品をシェア

pagetop