双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?
「――やぁ、ご苦労」
次に目を開けた時。
私は一階ではなく、再び二階へいた。
しかも隣には、王史郎の父親が立っている。全て計画通り、と言わんばかりの満足げな瞳と視線が合った。
「……っ」
この人に「今」写真を見られてはいけない。
そう直感し、スカートのポケットに急いで写真をしまう。
「モク……さゆを離せ!」
王史郎の青い瞳が、モク、次に私を見た。
怒りで揺れる瞳――その奥から「絶対助けるから待ってろ」と言われたみたいで、少しだけ冷静さを取り戻す。
「団長としての力は全てイオに受け継がれたと思ったけど、まだ使えたみたいだ。良かった良かった」
「団長としての力って……?」
私の問いに、武器を構えたまま王史郎が説明する。
「モクは元・騎士団長だ。禁忌を犯し、強制的に地位をはく奪された」
「それで……息子のイオくんが、団長になったんだね」
「モクのせいで、後ろ指さされてばかりだがな」
私を立たせながら、王史郎はグッと下唇を噛む。