双子のボディーガードは最強吸血鬼と最恐騎士!?
「なぁモク、あんたには分かるか?
仲間の騎士団に〝禁忌の息子〟だなんて忌み嫌われながら、それでも力を引き継いでるせいで、団長の座に座り続けないといけない――そんな孤独なイオの気持ちを、少しでも考えたことあるのかよ」
「……」
「何か言えよ!」
青い瞳がメラメラ燃える。
憎悪で揺らいでいる。
そして、それは私も同じ――
昨日イオくんは、
『俺は騎士団長の後継者なだけで、実力で地位を確立したわけじゃない。だから皆から反感を買うんだ』と言った。
あの時、どうして寂しそうな顔なんだろうって不思議だったけど、全部モクのせいだったんだ。父親のせいで、苦しんでいたんだ!
だけどモクは、全く悪びれる様子がなかった。
「じゃあ僕を封印しなければ良かったのに。一番悪いのは、僕を封印したお前じゃないのかい、王史郎?」
「な……!」
平気でうそをつき、自分の子供にさえも罪をなすり付ける。
こんな人、ぜったい二人の父親じゃない!
「王史郎、ごめん。私……例えあなたの父親だろうと、この人を許せない」