このかわいいはキミだけのため
昔はわたしだって友達に囲まれてそれなりに楽しい時を送っていた。

容姿なんてちっとも気にならなかったし。

むしろ自分を可愛いとさえ思っていたのに。

ぜんぶ、ぜんぶ、あの日のあの言葉がわたしを変えた。




『だって陽奈美ブスだから見られるの恥ずかしいんだよ』

『陽奈美ってかわいこぶってるだけで顔はそこまでだよね』




醜いわたしを気づかせた言葉。

嫌なことはそう簡単には忘れられない。

わたしは冷え切った心を守るようにぎゅっと体を抱きしめた。
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