【黒・中編・画】湖面に写る月の環[今昔擬人化小説]



シャーロックや明智とくらべると全然凄くない、銘探偵は「僕は神だ」と言っていた。

過去・現在存在する宗教に、なんの興味を持てないからだ。それに「恋愛感情」が、全く理解できないとも言ってた。だから彼は神仏他に頼ること無く、全ての厄と戦っていた。今は白狼化するも三十路半ばなので、まだ42才60才の男の厄は体験してないのだが、現在、三十路の女の厄と戦っていた。帰化儒教の信者じゃないのか?なら母校に助けを求めれば良いよと、友人のちゅう秋に質問と意見されるも「孔子なんか知らんさ。せめてマッカーサー教とでも言えよ」と、からかう始末。本当に神頼みに救いを求めてないらしい。だから彼は「僕は神だ」というのだった。

実際彼は美しくスマートで、散乱する衣服に囲まれて眠るクセの強すぎる性格を、知らない男女達からの恋文を、さばききれない家人達に、僕も哀れみを覚えたものだ。
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