【黒・中編・画】湖面に写る月の環[今昔擬人化小説]



そんな彼は[父親の遺産を継いで]金持ちの道楽に「探偵業」を営んでいた。客に仕事を斡旋させる能力はなく、銘探偵だけが捜査する依頼を決める権限を持っていた。

とは言え、銘探偵には、子分がおらず、独りでは仕事に成らないから、僕らの様に、ちゅう秋の家に遊びに来て、本ヲタクで博識なちゅう秋の意見を聞いて捜査するのだ。

[企業・個人機密なんて考えはしない、銘探偵と必要経費で、仕事を手伝うちゅう秋なのだから]

時折、僕らも捜査に巻き込まれ、大変な想いをするから、僕は小説の〆切を言い訳に逃げるのだが、やはり面白いネタには興味があるので、事件解決後に、質問する事にしてる。過去視という超能力が使える銘探偵と本のレイアウトを担う陰陽師に。
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