【私は今日も癒やしの『喫茶MOON』に通う】
第24話 めまいがするチョコちゃん
昼間と同じように貴教さんと克己さんの居住スペースにお邪魔させてもらった。
靴を脱ごうとした。
あれ? どうしたのかな?
まずい。めまいがする。
私は急に視界が暗くなって、ふらっと体が崩れて行った。
「チョコちゃん? チョコちゃん!」
私は遠のく意識のなかで、慌てた感じの貴教さんの声がしてたのと抱きとめてくれたのか、あたたかい腕の感触があった気がした。
✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧
「俺のこと考えてみてくれないか?」
「なんかあったら、言っておいで」
夢?
克己さんと貴教さんの声がした。
✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧
目を開ける。
知らない部屋だ。
シックな感じの。
私が首を左に向けると椅子に座りながら腕組みをして、壁に寄りかかったままうたた寝をしている人がいた。
「克己さん?」
貴教さんと克己さんは髪型が少し違う。
克己さんの方が髪の長さが短くて毛先が遊んでいて色も明るい。
「あっ。起きた? チョコちゃん」
克己さんは椅子から立ち上がり、私のいる所まで来ると私のおでこに右手をかざすようにそっと触れた。
大きな手。
ひんやりしてる。
「倒れたの、覚えてる?」
「なんとなく」
周りを見渡すとお昼にお邪魔したリビングとも違う部屋だった。
「ごめんなさい。ご迷惑をかけました」
「謝ることない。悪くないよ。まだ熱があるから今日はうちで休んでいきなね?」
克己さんは丸い小さな椅子を引き寄せて、座った。
私の顔を心配そうに覗き込んでくる克己さんにドキドキした。
えーい。
なんだって今日はこんなに私の心臓は忙しいんだ。
すごく気の多い女みたいじゃないですか。
「さっき知り合いの医者に来てもらったんだ。軽い貧血と風邪だろうって」
「あっ、すいません」
そんなお医者さんまで呼んでもらっちゃって。
「チョコちゃん、頑張りすぎ」
「すいま……」
謝ろうとした私の唇に克己さんは人差し指を向けた。
「謝らなくて大丈夫」
いつもはヤンチャな笑顔の克己さんが今見せているのはホッとした笑顔。
「東雲さんとこ、二人とも無事で良かったね。チョコちゃん、偉かったね。すごく疲れたろ?」
「ううん。私はなにもしてないよ。貴教さんとマルさんがいてくれたから……」
克己さんが喫茶『MOON』に出てないってことは、もうお店の終わる時間が過ぎたってこと?
「時間、遅いけど。何かお腹に入れた方が良いよ。貴教がリゾット作ってるから食べて」
克己さんの優しい口調と優しい瞳に、心が溶けていくみたいだ。
貴教さんといい、克己さんといい、とっても親切だ。
「ちょっと待っててな」
克己さんが立ち上がり、ドアの向こう側に消えてしまうと少し寂しい気持ちになっていた。
靴を脱ごうとした。
あれ? どうしたのかな?
まずい。めまいがする。
私は急に視界が暗くなって、ふらっと体が崩れて行った。
「チョコちゃん? チョコちゃん!」
私は遠のく意識のなかで、慌てた感じの貴教さんの声がしてたのと抱きとめてくれたのか、あたたかい腕の感触があった気がした。
✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧
「俺のこと考えてみてくれないか?」
「なんかあったら、言っておいで」
夢?
克己さんと貴教さんの声がした。
✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧
目を開ける。
知らない部屋だ。
シックな感じの。
私が首を左に向けると椅子に座りながら腕組みをして、壁に寄りかかったままうたた寝をしている人がいた。
「克己さん?」
貴教さんと克己さんは髪型が少し違う。
克己さんの方が髪の長さが短くて毛先が遊んでいて色も明るい。
「あっ。起きた? チョコちゃん」
克己さんは椅子から立ち上がり、私のいる所まで来ると私のおでこに右手をかざすようにそっと触れた。
大きな手。
ひんやりしてる。
「倒れたの、覚えてる?」
「なんとなく」
周りを見渡すとお昼にお邪魔したリビングとも違う部屋だった。
「ごめんなさい。ご迷惑をかけました」
「謝ることない。悪くないよ。まだ熱があるから今日はうちで休んでいきなね?」
克己さんは丸い小さな椅子を引き寄せて、座った。
私の顔を心配そうに覗き込んでくる克己さんにドキドキした。
えーい。
なんだって今日はこんなに私の心臓は忙しいんだ。
すごく気の多い女みたいじゃないですか。
「さっき知り合いの医者に来てもらったんだ。軽い貧血と風邪だろうって」
「あっ、すいません」
そんなお医者さんまで呼んでもらっちゃって。
「チョコちゃん、頑張りすぎ」
「すいま……」
謝ろうとした私の唇に克己さんは人差し指を向けた。
「謝らなくて大丈夫」
いつもはヤンチャな笑顔の克己さんが今見せているのはホッとした笑顔。
「東雲さんとこ、二人とも無事で良かったね。チョコちゃん、偉かったね。すごく疲れたろ?」
「ううん。私はなにもしてないよ。貴教さんとマルさんがいてくれたから……」
克己さんが喫茶『MOON』に出てないってことは、もうお店の終わる時間が過ぎたってこと?
「時間、遅いけど。何かお腹に入れた方が良いよ。貴教がリゾット作ってるから食べて」
克己さんの優しい口調と優しい瞳に、心が溶けていくみたいだ。
貴教さんといい、克己さんといい、とっても親切だ。
「ちょっと待っててな」
克己さんが立ち上がり、ドアの向こう側に消えてしまうと少し寂しい気持ちになっていた。