【私は今日も癒やしの『喫茶MOON』に通う】
第46話 マルさんと初デートするチョコちゃん!
――これは、デートと呼ぶのでしょうか?
今日の私は、小雨が降るなか弾むような気持ちで、マルさんを待っています。
駅のそばの老舗の映画館です。
私みたいに待ち合わせをしている人が何人もいます。
そわそわしちゃうな。
昨日の喫茶『MOON』で、マルさんは「チョコちゃんはテーマパークとかが良いかな? 動物園? どこか行きたい所がありますか?」って訊いてくれたんだけど、私は緊張が頂点に達していて、頷いたものの、声がなかなか出せずにいたの。
そうしたら克己さんが、助け舟を出してくれた。
「珈琲のお代わりはいかが? そうだ、そういや……マルさん、チョコちゃん、明日の土曜日は雨って知ってました? ラジオの天気予報で言ってたんですよ。ちょうど話題の映画が皮切りになるらしいよ。チョコちゃんは、SF映画は好き?」
「あっ、はい」って感じで助け舟を出してくれた。
「お節介だな〜、俺も」って苦笑いして克己さんは厨房の方に行ってしまったけど、気にかけてくれて嬉しかった。
克己さんのしてくれた提案に後押しされるように、マルさんと私は映画を観ることに決めた。
洋服は昨日の夜、さんざん悩んで決めて、雨の日に多少濡れたりしても目立たないような色のパンツをチョイスしました。脚長効果ありのスタイルがよく見えるってお店のポップに書いてあったんだ〜。スタイルがよく見えてるかは分からないけれど、少しの雨なら弾く素材なので重宝していて、お気に入り。
上は少しガーリーなパステルピンクのブラウスにカーディガンを羽織ってきました。
梅雨で日によってはだいぶ蒸し暑いし、今日も湿気がまとわりつくようにすごいけれど、映画館は空調が効いてるだろうから、体温調節がしやすいようなコーディネートにしたつもり。
朝から肩より下に伸びた髪の毛には、いつもより丁寧にヘアアイロンもかけてきた。
つい、気合いが入ったら濃くなりそうなメイクも薄づきを意識してる。
普段はほとんどバッチリなメイクをしないので、いつもと変わらないかもしれないなぁ。
お化粧はそんなに得意でもなくて。今使ってるファンデーションと口紅を選ぶ時は、瑠衣に頼んでお店についてきてもらったっけ。
瑠衣と化粧品ブランドの店員さんにアドバイスを受けながら、出来るだけ素顔に近い自然に見える色で揃えたつもり。
――うわ〜、どうしよう。
久しぶりにデートのために、お洒落に気を使った時間は楽しかった。
ドキドキするなぁ。
私は待ち合わせの時間より早く来ちゃったけど、こうしてマルさんを待つ時間、心はうきうきとしている。
顔がにやけてきそうなのを、必死でこらえていた。
今日の私は、小雨が降るなか弾むような気持ちで、マルさんを待っています。
駅のそばの老舗の映画館です。
私みたいに待ち合わせをしている人が何人もいます。
そわそわしちゃうな。
昨日の喫茶『MOON』で、マルさんは「チョコちゃんはテーマパークとかが良いかな? 動物園? どこか行きたい所がありますか?」って訊いてくれたんだけど、私は緊張が頂点に達していて、頷いたものの、声がなかなか出せずにいたの。
そうしたら克己さんが、助け舟を出してくれた。
「珈琲のお代わりはいかが? そうだ、そういや……マルさん、チョコちゃん、明日の土曜日は雨って知ってました? ラジオの天気予報で言ってたんですよ。ちょうど話題の映画が皮切りになるらしいよ。チョコちゃんは、SF映画は好き?」
「あっ、はい」って感じで助け舟を出してくれた。
「お節介だな〜、俺も」って苦笑いして克己さんは厨房の方に行ってしまったけど、気にかけてくれて嬉しかった。
克己さんのしてくれた提案に後押しされるように、マルさんと私は映画を観ることに決めた。
洋服は昨日の夜、さんざん悩んで決めて、雨の日に多少濡れたりしても目立たないような色のパンツをチョイスしました。脚長効果ありのスタイルがよく見えるってお店のポップに書いてあったんだ〜。スタイルがよく見えてるかは分からないけれど、少しの雨なら弾く素材なので重宝していて、お気に入り。
上は少しガーリーなパステルピンクのブラウスにカーディガンを羽織ってきました。
梅雨で日によってはだいぶ蒸し暑いし、今日も湿気がまとわりつくようにすごいけれど、映画館は空調が効いてるだろうから、体温調節がしやすいようなコーディネートにしたつもり。
朝から肩より下に伸びた髪の毛には、いつもより丁寧にヘアアイロンもかけてきた。
つい、気合いが入ったら濃くなりそうなメイクも薄づきを意識してる。
普段はほとんどバッチリなメイクをしないので、いつもと変わらないかもしれないなぁ。
お化粧はそんなに得意でもなくて。今使ってるファンデーションと口紅を選ぶ時は、瑠衣に頼んでお店についてきてもらったっけ。
瑠衣と化粧品ブランドの店員さんにアドバイスを受けながら、出来るだけ素顔に近い自然に見える色で揃えたつもり。
――うわ〜、どうしよう。
久しぶりにデートのために、お洒落に気を使った時間は楽しかった。
ドキドキするなぁ。
私は待ち合わせの時間より早く来ちゃったけど、こうしてマルさんを待つ時間、心はうきうきとしている。
顔がにやけてきそうなのを、必死でこらえていた。