ルシウス様、お姉さまに張り合わないでください!
◇
「ああ、ティアナ! 私の可愛い可愛い妹! ここにいたのか!」
部屋に向かう途中、私はお姉さまとばったり出くわした。お姉さまは私をギュッと抱きしめ、あちこち触れてくる。
「どうした、ティアナ。元気がないな」
「……」
私がルシウス様のことで落ち込んでいるなんて言ったら、お姉さまはきっとルシウス様を刺しに行くだろう。とても正直に答えられず、黙って部屋へ戻ろうとする。と、お姉さまも一緒に私の部屋へ入ってきた。
「ティアナ。まさかあの野郎に変な事をされたわけじゃないだろうね?」
革張りのソファーに腰かけたお姉さまが急所を突いてくる。私は向かいのソファーに座るだけ座って、なんと答えるべきか思案した。けれど何も出てこない。
「何をされた? 言ってみなさい、ティアナ」
業を煮やしたお姉さまが私の隣に座り直し、私の肩を抱く。
「まさか体を触られたんじゃあないだろうね?」
お姉さまの指が私の胸元に伸びて、私は飛びのいた。
「違います! 私はただ、ルシウス様が私を大切にしてくれるのは、義務だからなのかなって、ちょっと、そう思っただけです」
「ああ、ティアナ! 私の可愛い可愛い妹! ここにいたのか!」
部屋に向かう途中、私はお姉さまとばったり出くわした。お姉さまは私をギュッと抱きしめ、あちこち触れてくる。
「どうした、ティアナ。元気がないな」
「……」
私がルシウス様のことで落ち込んでいるなんて言ったら、お姉さまはきっとルシウス様を刺しに行くだろう。とても正直に答えられず、黙って部屋へ戻ろうとする。と、お姉さまも一緒に私の部屋へ入ってきた。
「ティアナ。まさかあの野郎に変な事をされたわけじゃないだろうね?」
革張りのソファーに腰かけたお姉さまが急所を突いてくる。私は向かいのソファーに座るだけ座って、なんと答えるべきか思案した。けれど何も出てこない。
「何をされた? 言ってみなさい、ティアナ」
業を煮やしたお姉さまが私の隣に座り直し、私の肩を抱く。
「まさか体を触られたんじゃあないだろうね?」
お姉さまの指が私の胸元に伸びて、私は飛びのいた。
「違います! 私はただ、ルシウス様が私を大切にしてくれるのは、義務だからなのかなって、ちょっと、そう思っただけです」