ルシウス様、お姉さまに張り合わないでください!
 腕を組んだお姉さまが、私たちの元へ歩み寄る。

「話は聞いた。物資が届かないのなら茶会は延期だ」
「え」
「折角ティアナが計画した茶会だ、万全の体制で挑もうじゃないか。なに、3週間ほど延期すればまた同じ物を手配できるさ」

 そう……なのだろうか。
 簡単に延期して、本当に良いのか。そんな私の疑問を知ってか知らずか、ルシウス様が進言した。

「恐れ入ります女王陛下。100を超える招待客は二か月も前から都合をつけています。急な延期には対応出来ません」
「それがどうした。来れない奴は欠席で良いだろう」
「それはあんまりです、陛下。なにとぞ招待客、国民へのご配慮をたまわりたく存じます。お考え直しください」

 ルシウス様は私から手を離し、姿勢を正して頭を下げた。お姉さまはそれを一瞥し鼻で笑っている。

「却下だ。茶会は延期する。ティアナ、中止の連絡を速達で送るように」
「でもお姉さま」
「なに、無理する必要はないのだ。頼んだぞ」

 お姉さまが私の耳元に軽くキスをして去っていく。
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