ルシウス様、お姉さまに張り合わないでください!
「何をおっしゃいます女王陛下。ティアナ姫を全宇宙で一番幸せに出来るのは、このルシウス・マーシャルしかおりません」

「馬鹿を言え。私はティアナの唯一の肉親だぞ。この世で私だけがティアナの唯一の理解者であり味方だ!」

 二人の顔に青筋がたってきた。雲行きが怪しい。

「恐れ入ります女王陛下。このルシウス・マーシャルこそ、肉親などという特殊な条件を抜きにしても全宇宙で一番ティアナ姫を想う男にございます」

「フン、負け犬の遠吠えだな。貴様は天地がひっくり返っても血の繋がりを持つことはない。私の足元にも及ばん」

「ハハハ、何をおっしゃいます女王陛下! 陛下こそ天地がひっくり返ってもティアナ姫と結婚する事は出来ません。しかしこのルシウス・マーシャル、結婚することも子を成すことも可能!」

「あ? 貴様、ティアナの身体目当てか!」

「はい? そのようなことは言っておりません! 話をすり替えないでいただきたい!」

「黙れ無礼者!」

 私はしびれを切らし、息を大きく吸い込んだ。

「いい加減にしてくださいませ!」

 大きな声を上げる私に、二人はやっと口を閉じ、私に向かって小さく「はい」と返事をした。
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