水曜日の黒猫
“水曜日”と“黒猫”
 “水曜日”は特別な日でも何でもない、ふつうの“水曜日”だ。
 

 ふつうの、水曜日。


 たまたま、母とよくケンカになるだけ。


 たまたま、教室でよくからかわれるだけ。


 たまたま、父と母が機嫌悪いだけ。



 だから、ふつうの水曜日のはず、だ。


 ――わたしが泣いて家を飛び出すのも、たまたま“水曜日”なだけだ。


 いつもわたしは呪いのように、自分にそんな言葉を言い聞かせた。

 ただ重なっただけ、ついてなかっただけ、“自分”が悪かっただけだと。


 
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