【コミカライズ企画進行中】捨てられ聖女は働かないっ!〜追放されたので念願のスローライフはじめます〜
コミカライズ企画進行特別SS
おかげ様で捨てられ聖女コミカライズ企画進行中です。
特別編書いてみたのでよろしければお付き合いください!
「アル、なんか私達宛にお手紙が届いたみたい」
シアは眉を寄せ、見覚えのない封筒に首を傾げる。
「なんて書いてあるの?」
「それが異国の文字で読めないのよね。聖女としての仕事の要請かしら? 全く、私は働きませんって何度言えば分かるのよ」
そう言ってため息をつくシアを宥めつつ、アルは手紙を受け取る。
「じゃあ俺が代わりに読んであげるよ。えーっと"捨てられ聖女は働かないっ!"コミカライズ化決定!!だって」
良かったねーとのほほーんと微笑むアル。にこにこ笑うその顔があまりにいつも通りだったので、シアはぽかーんとしたまま手紙を見つめる。
「コミカライズ?」
「そう。漫画化するみたい」
作者の願望が実現する日が来るなんて、あの人心臓止まるんじゃない? とさらっと現実に起きそうなことを口にする。
「コミカライズ……って、捨てられ聖女を? 私達漫画になるの? え? えっ!? えーー!?」
驚き過ぎて大声を上げたシアは、
「新手の詐欺かな」
と真顔で聞き返す。
「大丈夫。コレは本当の話だよ」
アルはシアの髪を撫でながらお祝いどうしようか? と尋ねる。
どうやら本当にそうらしい。
「ふわぁぁぁ。どうしよう!? え、え? この感情と期待値と感謝の気持ちはどうしたらいいの?」
「そんなシアのために読者様へのお礼企画も用意しました」
「……アルが有能過ぎる」
さすが魔族の王様。シゴデキ過ぎる。
と、いうわけで。
『捨てられ聖女は働かないっ!〜追放されたので念願のスローライフはじめます〜』
コミカライズ化進行中宣伝企画!が発動したのだった。
「はい、というわけで。コミカライズ化決定。企画進行中の捨てられ聖女なのですが、そもそも捨てられ聖女とは?どんな話なのって方もいると思うのであらすじを一言でまとめてみよーってコーナーらしいです。って、コレ誰が答えるの?」
カンペに沿って司会を務めるシアが首を傾げると、早押しクイズよろしくピンコーンと音が鳴り響く。
「腹が減った」
ドンっと出したフリップボードに書いた回答を堂々と読み上げたのは、ルルベル王国の勇者様ノエルだ。
「ちょ、なんで勇者様が? そしてあらすじでもなんでもない……っていうかそのセットどうした!?」
いつの間にか整えられたゲストと会場。ツッコミが追いつかないシアがぱっとアルの方を見れば。
「雰囲気大事かな? って」
褒めて、と言わんばかりに微笑まれた。
「アルが有能過ぎる」(2回目)
「で、今日のカフェの日替わり定食は?」
「いや、ロケ弁出ないし。真面目に答えなさいよ!」
ピンコーンと別方向から音がする。
「"捨てられ聖女"とは、僕の可愛い妹分が国を相手に慰謝料を恐喝する話だよー」
いやー説得大変だったと頷くのは大賢者のラウル。
「いや、ちが……くもない、けど。でもなんかちがーう」
シアが読者が勘違いしたらどうするの!? と喚くとピンコーンとまた音が鳴り響く。
「そうだぞ、ラウル。"捨てられ聖女"はそんな話ではない」
「一々押すんだ。律儀だな。で、勇者様なんで生姜焼き食べてるんですか」
「黒髪が作ってくれたぞ?」
うまーっと遠慮なく生姜焼き定食を食べ続けるノエルは、
「捨てられ聖女は元聖女のセリシアがヒモになる話だぞ?」
タイトルに書いてあるだろっとドヤる。
ピンコーンとまた別方向から音が鳴る。
「チッチッチ、甘いですね。勇者様」
そう言ったのは最果ての地ラスティのギルドマスター(代理)、シェイナ。
「お2人とも解釈がなっておりませんねぇ〜。捨てられ聖女とは、働かないといいつつうっかり働いてしまうチョロ甘なセリシア様とその愉快な仲間たちによって万年零細企業状態だったラスティが国一番へとのし上がっていくギルドうはうは領地改革サクセスストーリー、なのですよ?」
「待って。本当に待って。盛り過ぎてもはや原型留めてないんだけど!?!?!?」
なんでこいつら呼んだのよと文句を言おうと振り返ったシアの口にポンっと何かが放り込まれる。
「ふぁぁ、めっちゃ美味しい」
「生キャラメル。手作りだよ?」
勿論、ラスティ産である。
「ちなみに捨てられ聖女はこうやって俺がシアを餌付けする話だよ」
可愛い可愛いと撫でられるがキャラメルに夢中のシアはされるがまま。
「はぅわぁぁーー! 何コレ。すっごく甘くて美味しくてトロけるんだけど」
まだあるよーとシアの口にキャラメルを放り込んで、アルはにこやかに笑う。
「って、全然捨てられ聖女のあらすじ分かんなかったよ!?」
キャラメルを飲み込みようやくツッコむ。
「まぁ、気になる人は自分で読んだらいいんだよー」
小説は完結済みな上に全話公開されてるしとアルはど正論を述べる。
「いや、企画の意味」
「この企画自体作者の自己満足でしかないから俺たちに責任はないよ?」
「いや、で」
「な、い、よ。ね?」
「あ、ハイ」
シアはいつものようにアルに笑顔で押し切られた。
「じゃあ、シアまとめをどうぞ」
とアルはカンペをシアに渡す。
締まらないなぁと盛大にため息をついたシアは、まぁそれが『私たちらしさ』かと苦笑すると、
「はい。と、いうわけで。皆様の応援のおかげで捨てられ聖女は働かないっ!コミカライズ企画進行中ですので、ぜひぜひ小説の方も、できたら作者の別作品も今後も応援頂けると嬉しいです」
カンペをまんま読み上げた。
無償労働お断り、を掲げる元聖女はアドリブなんて入れないが。
「まぁ、でもコミカライズ楽しみね」
と素直な感想を述べる。
アルの言うように自分たちが頑張らなくても読みたい人は読んでくれるだろうし、やらかした諸々についてはコミカライズ化された際にきっといい感じに編集されているはず、と働く気のない元聖女は誰かのやる気に事態を丸投げし、のんびり配信を待つことにしたのだった。
特別編書いてみたのでよろしければお付き合いください!
「アル、なんか私達宛にお手紙が届いたみたい」
シアは眉を寄せ、見覚えのない封筒に首を傾げる。
「なんて書いてあるの?」
「それが異国の文字で読めないのよね。聖女としての仕事の要請かしら? 全く、私は働きませんって何度言えば分かるのよ」
そう言ってため息をつくシアを宥めつつ、アルは手紙を受け取る。
「じゃあ俺が代わりに読んであげるよ。えーっと"捨てられ聖女は働かないっ!"コミカライズ化決定!!だって」
良かったねーとのほほーんと微笑むアル。にこにこ笑うその顔があまりにいつも通りだったので、シアはぽかーんとしたまま手紙を見つめる。
「コミカライズ?」
「そう。漫画化するみたい」
作者の願望が実現する日が来るなんて、あの人心臓止まるんじゃない? とさらっと現実に起きそうなことを口にする。
「コミカライズ……って、捨てられ聖女を? 私達漫画になるの? え? えっ!? えーー!?」
驚き過ぎて大声を上げたシアは、
「新手の詐欺かな」
と真顔で聞き返す。
「大丈夫。コレは本当の話だよ」
アルはシアの髪を撫でながらお祝いどうしようか? と尋ねる。
どうやら本当にそうらしい。
「ふわぁぁぁ。どうしよう!? え、え? この感情と期待値と感謝の気持ちはどうしたらいいの?」
「そんなシアのために読者様へのお礼企画も用意しました」
「……アルが有能過ぎる」
さすが魔族の王様。シゴデキ過ぎる。
と、いうわけで。
『捨てられ聖女は働かないっ!〜追放されたので念願のスローライフはじめます〜』
コミカライズ化進行中宣伝企画!が発動したのだった。
「はい、というわけで。コミカライズ化決定。企画進行中の捨てられ聖女なのですが、そもそも捨てられ聖女とは?どんな話なのって方もいると思うのであらすじを一言でまとめてみよーってコーナーらしいです。って、コレ誰が答えるの?」
カンペに沿って司会を務めるシアが首を傾げると、早押しクイズよろしくピンコーンと音が鳴り響く。
「腹が減った」
ドンっと出したフリップボードに書いた回答を堂々と読み上げたのは、ルルベル王国の勇者様ノエルだ。
「ちょ、なんで勇者様が? そしてあらすじでもなんでもない……っていうかそのセットどうした!?」
いつの間にか整えられたゲストと会場。ツッコミが追いつかないシアがぱっとアルの方を見れば。
「雰囲気大事かな? って」
褒めて、と言わんばかりに微笑まれた。
「アルが有能過ぎる」(2回目)
「で、今日のカフェの日替わり定食は?」
「いや、ロケ弁出ないし。真面目に答えなさいよ!」
ピンコーンと別方向から音がする。
「"捨てられ聖女"とは、僕の可愛い妹分が国を相手に慰謝料を恐喝する話だよー」
いやー説得大変だったと頷くのは大賢者のラウル。
「いや、ちが……くもない、けど。でもなんかちがーう」
シアが読者が勘違いしたらどうするの!? と喚くとピンコーンとまた音が鳴り響く。
「そうだぞ、ラウル。"捨てられ聖女"はそんな話ではない」
「一々押すんだ。律儀だな。で、勇者様なんで生姜焼き食べてるんですか」
「黒髪が作ってくれたぞ?」
うまーっと遠慮なく生姜焼き定食を食べ続けるノエルは、
「捨てられ聖女は元聖女のセリシアがヒモになる話だぞ?」
タイトルに書いてあるだろっとドヤる。
ピンコーンとまた別方向から音が鳴る。
「チッチッチ、甘いですね。勇者様」
そう言ったのは最果ての地ラスティのギルドマスター(代理)、シェイナ。
「お2人とも解釈がなっておりませんねぇ〜。捨てられ聖女とは、働かないといいつつうっかり働いてしまうチョロ甘なセリシア様とその愉快な仲間たちによって万年零細企業状態だったラスティが国一番へとのし上がっていくギルドうはうは領地改革サクセスストーリー、なのですよ?」
「待って。本当に待って。盛り過ぎてもはや原型留めてないんだけど!?!?!?」
なんでこいつら呼んだのよと文句を言おうと振り返ったシアの口にポンっと何かが放り込まれる。
「ふぁぁ、めっちゃ美味しい」
「生キャラメル。手作りだよ?」
勿論、ラスティ産である。
「ちなみに捨てられ聖女はこうやって俺がシアを餌付けする話だよ」
可愛い可愛いと撫でられるがキャラメルに夢中のシアはされるがまま。
「はぅわぁぁーー! 何コレ。すっごく甘くて美味しくてトロけるんだけど」
まだあるよーとシアの口にキャラメルを放り込んで、アルはにこやかに笑う。
「って、全然捨てられ聖女のあらすじ分かんなかったよ!?」
キャラメルを飲み込みようやくツッコむ。
「まぁ、気になる人は自分で読んだらいいんだよー」
小説は完結済みな上に全話公開されてるしとアルはど正論を述べる。
「いや、企画の意味」
「この企画自体作者の自己満足でしかないから俺たちに責任はないよ?」
「いや、で」
「な、い、よ。ね?」
「あ、ハイ」
シアはいつものようにアルに笑顔で押し切られた。
「じゃあ、シアまとめをどうぞ」
とアルはカンペをシアに渡す。
締まらないなぁと盛大にため息をついたシアは、まぁそれが『私たちらしさ』かと苦笑すると、
「はい。と、いうわけで。皆様の応援のおかげで捨てられ聖女は働かないっ!コミカライズ企画進行中ですので、ぜひぜひ小説の方も、できたら作者の別作品も今後も応援頂けると嬉しいです」
カンペをまんま読み上げた。
無償労働お断り、を掲げる元聖女はアドリブなんて入れないが。
「まぁ、でもコミカライズ楽しみね」
と素直な感想を述べる。
アルの言うように自分たちが頑張らなくても読みたい人は読んでくれるだろうし、やらかした諸々についてはコミカライズ化された際にきっといい感じに編集されているはず、と働く気のない元聖女は誰かのやる気に事態を丸投げし、のんびり配信を待つことにしたのだった。