【コミカライズ企画進行中】捨てられ聖女は働かないっ!〜追放されたので念願のスローライフはじめます〜
あのまま眠り続けたのか、翌朝になってもアルが部屋から出てこない。
回復魔法で死ぬ事はないはずなんだけど、流石に心配になってアルの部屋のドアを叩く。ノックをしても返事がない。
「アル? 開けるよ」
「シア、来ちゃダメっ」
私が声をかけながらドアを開けたのと中から覚えのない声が入室を制止したのはほぼ同時だった。
「…………誰!?」
私は目を疑ってなんども瞬きを繰り返す。
アルのベッドのはずなのに、上半身裸でベッドから上体を起こした黒髪でツノの生えた紅茶色の瞳の青年がそこにいた。
「まさか、魔ノ国最高峰の呪いが一日で解けるなんて、シアの聖女の力強過ぎでしょ」
私の18年の人生でお目にかかった男性の中で圧倒的に一番イケメンなその人は、女の子なら一瞬で恋に堕ちそうなくらい素敵な声でそう言った。
私はその青年をマジマジと見る。冒険者や怪我人の治療で男性の裸なんて見慣れているけど、うんいい身体してますね。
って、そうじゃないとだいぶ動揺している私は自分で自分にツッコミを入れる。
私の事をシアと呼ぶ魔族など、アル以外にはいない。それに私に向けられた眩しい笑顔とキラキラオーラは変わらず、アルの面影もある。
「…………アル、なの」
「そう、だよ」
歳の頃は20代前半くらいだろうか? 可愛い少年が、たった一日で女子が悩殺されそうなイケメンに大変身。
物語なら美味しい場面なのかもしれない。だけど、これは現実。嘘でしょとつぶやいた私は両膝をついて崩れ、床をぐーで叩く。
「アルがっ! 私の可愛いアルがっ!! 来月オープンさせるカフェで看板息子にして奥様方取り込む計画でアル用にカッコ可愛い制服せっかく発注したのに、実装前に大人にっーー!!」
この美丈夫がアルだと認識しての第一声がコレってどうよと自分でも思わなくはないが、真っ先に浮かんだことが口をついて出てしまった。
だって、アルにナイショでせっかくこっそりひっそり準備してたのに、とショックが大きくてしばらく立ち直れないかもしれない。
「…………シア、それ俺聞いてない。ていうか、働かせる気満々じゃん」
私の願望と煩悩ダダ漏れの計画に苦笑したアルは、
「ごめんけど、とりあえず服欲しい。話はそれからで」
とても冷静にそう言った。
回復魔法で死ぬ事はないはずなんだけど、流石に心配になってアルの部屋のドアを叩く。ノックをしても返事がない。
「アル? 開けるよ」
「シア、来ちゃダメっ」
私が声をかけながらドアを開けたのと中から覚えのない声が入室を制止したのはほぼ同時だった。
「…………誰!?」
私は目を疑ってなんども瞬きを繰り返す。
アルのベッドのはずなのに、上半身裸でベッドから上体を起こした黒髪でツノの生えた紅茶色の瞳の青年がそこにいた。
「まさか、魔ノ国最高峰の呪いが一日で解けるなんて、シアの聖女の力強過ぎでしょ」
私の18年の人生でお目にかかった男性の中で圧倒的に一番イケメンなその人は、女の子なら一瞬で恋に堕ちそうなくらい素敵な声でそう言った。
私はその青年をマジマジと見る。冒険者や怪我人の治療で男性の裸なんて見慣れているけど、うんいい身体してますね。
って、そうじゃないとだいぶ動揺している私は自分で自分にツッコミを入れる。
私の事をシアと呼ぶ魔族など、アル以外にはいない。それに私に向けられた眩しい笑顔とキラキラオーラは変わらず、アルの面影もある。
「…………アル、なの」
「そう、だよ」
歳の頃は20代前半くらいだろうか? 可愛い少年が、たった一日で女子が悩殺されそうなイケメンに大変身。
物語なら美味しい場面なのかもしれない。だけど、これは現実。嘘でしょとつぶやいた私は両膝をついて崩れ、床をぐーで叩く。
「アルがっ! 私の可愛いアルがっ!! 来月オープンさせるカフェで看板息子にして奥様方取り込む計画でアル用にカッコ可愛い制服せっかく発注したのに、実装前に大人にっーー!!」
この美丈夫がアルだと認識しての第一声がコレってどうよと自分でも思わなくはないが、真っ先に浮かんだことが口をついて出てしまった。
だって、アルにナイショでせっかくこっそりひっそり準備してたのに、とショックが大きくてしばらく立ち直れないかもしれない。
「…………シア、それ俺聞いてない。ていうか、働かせる気満々じゃん」
私の願望と煩悩ダダ漏れの計画に苦笑したアルは、
「ごめんけど、とりあえず服欲しい。話はそれからで」
とても冷静にそう言った。