【コミカライズ企画進行中】捨てられ聖女は働かないっ!〜追放されたので念願のスローライフはじめます〜
「おやおやおやー照れなくても良いではないですかぁ。聖なるものに逆らえない女子の略なら間違いなくセリシア様は聖女ですよ〜」
ふふっと、シェイナは間延びした声でそう笑う。アル様キラキラしてますものねと私を見ながら楽しそうに付け足す。
「いや、セリシアの聖女は、聖なる力ですべてをゴリ押す女の略だろ」
とノエルはそう訂正し直した。
「よし、分かった。ケンカね! ケンカを売りに来たのね!! 高値で買って安売りしてあげるから2人ともまとめて表へ出ろや」
この2人が揃うとなんだかとても腹が立つ。私は2丁の拳銃を表出させて、2人に向かってそう叫ぶ。
「はいはい、そこまで。こんなでもお客さんだから、シアもあんまり騒いじゃだめだよ」
コトっと小さな音を立てて、アルは私の目の前にプリンを置く。
「新しいの、試作してみたから食べてみて」
アルがニコッと微笑んで、スプーンを渡す。
「はわぁぁー。もうこれ絶対おいしい確でしょ!」
私の機嫌は秒で改善され、出されたプリンを素直に食す。プリンはとてもなめらかで口の中でトロリととろけて、幸せしかなかった。
「シアは本当に何でもおいしそうに食べてくれるよね。作りがいがあるよ」
アルはクスクスと笑いながら、おかわりいる? と聞いてくる。私は両手を挙げて全力でプリンをねだる。
そんな私たちのやりとりを見ながら、ノエルは、
「セリシア、お前このカフェにいる? お前がここで働いてるの見たことないし」
とちょっと私も気にしてた事をズバッとのたまった。
「まぁ確かにセリシア様は、食事を作られているご様子もないですし、ウェイトレスもされてませんよね。何しに来てるんですか?」
ほぼ常連のシェイナにもそう指摘を受ける。うん、キッチンもホールもアル1人で全然回せてるから、私の出番がないなぁと私自身も思ってた。
「わ、私オーナーだからっ! メニュー一緒に考えたりとか、営業の状態チェックしたりとかしてるもん」
「それ、黒髪1人いたら足りるくね?」
一番気にしてたこと言われた。うすうす気づいていたけど私、多分役に立ってない。発案しただけで、ラスティに来てからほぼアルの働きだけで生きている気がする。
「シアはそこにいてくれるだけで、俺が頑張れるから。こう、心の清涼剤みたいな?」
アルはキラキラ眩しい微笑みを浮かべて言い切ったけど、それは多分フォローになってない。
「セリシア、お前聖女やめたらただの紐じゃん」
ノエルにそう言われ、返す言葉が見当たらない。うん、確かに現状を正しく客観的に見れば、養うどころかぶっちゃけ養われている。
「シアは居てくれるだけで良いんだけど、お茶入れてくれたり、コーヒー入れてくれたり、ホットミルク入れてくれたりするからそれだけで俺的には十分かなって」
アルが照れながらそういうけれど、できたら言わないで欲しかった。そして実感する。私の存在価値、飲み物の準備のみか、と。
「いやぁーアル様はできた嫁でいらっしゃいますねぇ」
アルが嫁。うん、なんかすごくしっくりくる。でもなんかそれはダメな気がする。
「ところでお伺いしたかったのですけれど、セリシア様の送りたかった"スローライフ"とは、このようなものだったのですか?」
シェイナが小首をかしげて、私にそう問うた。
ふふっと、シェイナは間延びした声でそう笑う。アル様キラキラしてますものねと私を見ながら楽しそうに付け足す。
「いや、セリシアの聖女は、聖なる力ですべてをゴリ押す女の略だろ」
とノエルはそう訂正し直した。
「よし、分かった。ケンカね! ケンカを売りに来たのね!! 高値で買って安売りしてあげるから2人ともまとめて表へ出ろや」
この2人が揃うとなんだかとても腹が立つ。私は2丁の拳銃を表出させて、2人に向かってそう叫ぶ。
「はいはい、そこまで。こんなでもお客さんだから、シアもあんまり騒いじゃだめだよ」
コトっと小さな音を立てて、アルは私の目の前にプリンを置く。
「新しいの、試作してみたから食べてみて」
アルがニコッと微笑んで、スプーンを渡す。
「はわぁぁー。もうこれ絶対おいしい確でしょ!」
私の機嫌は秒で改善され、出されたプリンを素直に食す。プリンはとてもなめらかで口の中でトロリととろけて、幸せしかなかった。
「シアは本当に何でもおいしそうに食べてくれるよね。作りがいがあるよ」
アルはクスクスと笑いながら、おかわりいる? と聞いてくる。私は両手を挙げて全力でプリンをねだる。
そんな私たちのやりとりを見ながら、ノエルは、
「セリシア、お前このカフェにいる? お前がここで働いてるの見たことないし」
とちょっと私も気にしてた事をズバッとのたまった。
「まぁ確かにセリシア様は、食事を作られているご様子もないですし、ウェイトレスもされてませんよね。何しに来てるんですか?」
ほぼ常連のシェイナにもそう指摘を受ける。うん、キッチンもホールもアル1人で全然回せてるから、私の出番がないなぁと私自身も思ってた。
「わ、私オーナーだからっ! メニュー一緒に考えたりとか、営業の状態チェックしたりとかしてるもん」
「それ、黒髪1人いたら足りるくね?」
一番気にしてたこと言われた。うすうす気づいていたけど私、多分役に立ってない。発案しただけで、ラスティに来てからほぼアルの働きだけで生きている気がする。
「シアはそこにいてくれるだけで、俺が頑張れるから。こう、心の清涼剤みたいな?」
アルはキラキラ眩しい微笑みを浮かべて言い切ったけど、それは多分フォローになってない。
「セリシア、お前聖女やめたらただの紐じゃん」
ノエルにそう言われ、返す言葉が見当たらない。うん、確かに現状を正しく客観的に見れば、養うどころかぶっちゃけ養われている。
「シアは居てくれるだけで良いんだけど、お茶入れてくれたり、コーヒー入れてくれたり、ホットミルク入れてくれたりするからそれだけで俺的には十分かなって」
アルが照れながらそういうけれど、できたら言わないで欲しかった。そして実感する。私の存在価値、飲み物の準備のみか、と。
「いやぁーアル様はできた嫁でいらっしゃいますねぇ」
アルが嫁。うん、なんかすごくしっくりくる。でもなんかそれはダメな気がする。
「ところでお伺いしたかったのですけれど、セリシア様の送りたかった"スローライフ"とは、このようなものだったのですか?」
シェイナが小首をかしげて、私にそう問うた。