【コミカライズ企画進行中】捨てられ聖女は働かないっ!〜追放されたので念願のスローライフはじめます〜
23.その聖女、崇拝される。
ギルド内での騒動を収めた翌週。
「お嬢っ、これはどこに運べばいいでしょうか!!」
「シアのお嬢っ! 次のご指示を」
「セリシアお嬢チラシ配布してきましたっ。会場設営もお任せください!!」
「…………とりあえず、お嬢呼びやめない?」
「「「「お嬢っ!! どこまでもついていきます」」」」
私に舎弟ができた。
おかしいな、こんなはずではなかったんだけどと助けを求めるようにシェイナに視線を流せば、腹を抱えて爆笑している彼女と目があった。
親指を立ててグッドラックとつぶやいたのを見るに助けてくれる気はないらしい。
「……アスマ、アンタのとこの団員どうにかしてよ」
私は護衛の真似事のように側に控えているS級男もといパーティ名レッドドラゴンのリーダー、アスマに懇願するが、
「セリシアお嬢、我々はお嬢の僕です。どうぞ、遠慮なくお使いくださいっ」
とてもハキハキとそう言い切られた。
「……ホントにやめてほしい」
ただでさえこの間の一件でギルドでは遠巻きに見られているのに、このままでは一般人から遠ざかってしまう。
「足で転ばせてツボ押しして回復魔法かけただけなのに、何でこうなったの?」
ああっと顔を覆って嘆く私を見たシェイナは、
「追放偽聖女の次は荒くれ者の冒険者たちの頭だなんて、セリシア様は一体どこを目指してるんでしょうねぇ」
ふふふっと楽しそうに笑った。
私のお仕置きから目が覚めたアスマとその愉快な仲間たちは、冒険者ギルドで私を見つけると一斉に膝を折って土下座した。
何事かと驚く私に、
『お嬢の足技と魔法に惚れましたっ!! 傘下に入れて下さいっ』
とギルド中に聞こえるほどの大声で頼まれた。
いや、私催しの打ち合わせで来ているだけで、そもそも冒険者じゃないし。
農場と酪農とその系列の加工品工房とカフェはほぼ人任せとは言え経営してるけど、冒険者傘下に収めても使い所ないし、と間髪入れずに断ったのだが、全く話を聞く耳を持たない彼らは勝手に私をお嬢と呼び始め、自主的にボランティア活動を始めた。
しかもその人数がアスマのパーティだけに留まらず、あの騒動を見ていた人達も何人も加わり結構な大所帯となっていた。
「それにしても、セリシア様お強かったですねぇ。もういっそのことこのまま冒険者にでもなられたらいかがです?」
ニヤニヤっと揶揄うようにシェイナがそう言って、ダンジョンへ行くための申請書を差し出す。
「調子に乗りましたっ。もうしないから、揶揄わないで」
うぅっと呻きながら顔を伏せる私に、
「お嬢とならいつでもダンジョンに潜りますので、お声かけくださいっ」
と暑苦しいほど情熱的な視線と熱意を持ってアスマがそう言った。
「だから行かないってば!!」
そう言い切る私の両手を掴んだアスマは、
「ピンクの髪に碧眼の2丁拳銃、無慈悲なまでに相手を屈服させる、光属性魔法最高峰の使い手、聖女セリシア・ノートン様にお目にかかれる日が来るなんて、思っていませんでした! 偽物だの死んだだのとデマが出回っておりますが、直でお嬢の戦う様を見てお嬢が本物の聖女だと信じない人間なんていませんよ。お嬢に仕えられるなんて幸せです」
と、コチラが恥ずかしくなるセリフを大声で言った。
ヤバい、新興宗教立ち上げそうな勢いで崇拝されている。本当に勘弁して欲しい。
「お嬢っ、これはどこに運べばいいでしょうか!!」
「シアのお嬢っ! 次のご指示を」
「セリシアお嬢チラシ配布してきましたっ。会場設営もお任せください!!」
「…………とりあえず、お嬢呼びやめない?」
「「「「お嬢っ!! どこまでもついていきます」」」」
私に舎弟ができた。
おかしいな、こんなはずではなかったんだけどと助けを求めるようにシェイナに視線を流せば、腹を抱えて爆笑している彼女と目があった。
親指を立ててグッドラックとつぶやいたのを見るに助けてくれる気はないらしい。
「……アスマ、アンタのとこの団員どうにかしてよ」
私は護衛の真似事のように側に控えているS級男もといパーティ名レッドドラゴンのリーダー、アスマに懇願するが、
「セリシアお嬢、我々はお嬢の僕です。どうぞ、遠慮なくお使いくださいっ」
とてもハキハキとそう言い切られた。
「……ホントにやめてほしい」
ただでさえこの間の一件でギルドでは遠巻きに見られているのに、このままでは一般人から遠ざかってしまう。
「足で転ばせてツボ押しして回復魔法かけただけなのに、何でこうなったの?」
ああっと顔を覆って嘆く私を見たシェイナは、
「追放偽聖女の次は荒くれ者の冒険者たちの頭だなんて、セリシア様は一体どこを目指してるんでしょうねぇ」
ふふふっと楽しそうに笑った。
私のお仕置きから目が覚めたアスマとその愉快な仲間たちは、冒険者ギルドで私を見つけると一斉に膝を折って土下座した。
何事かと驚く私に、
『お嬢の足技と魔法に惚れましたっ!! 傘下に入れて下さいっ』
とギルド中に聞こえるほどの大声で頼まれた。
いや、私催しの打ち合わせで来ているだけで、そもそも冒険者じゃないし。
農場と酪農とその系列の加工品工房とカフェはほぼ人任せとは言え経営してるけど、冒険者傘下に収めても使い所ないし、と間髪入れずに断ったのだが、全く話を聞く耳を持たない彼らは勝手に私をお嬢と呼び始め、自主的にボランティア活動を始めた。
しかもその人数がアスマのパーティだけに留まらず、あの騒動を見ていた人達も何人も加わり結構な大所帯となっていた。
「それにしても、セリシア様お強かったですねぇ。もういっそのことこのまま冒険者にでもなられたらいかがです?」
ニヤニヤっと揶揄うようにシェイナがそう言って、ダンジョンへ行くための申請書を差し出す。
「調子に乗りましたっ。もうしないから、揶揄わないで」
うぅっと呻きながら顔を伏せる私に、
「お嬢とならいつでもダンジョンに潜りますので、お声かけくださいっ」
と暑苦しいほど情熱的な視線と熱意を持ってアスマがそう言った。
「だから行かないってば!!」
そう言い切る私の両手を掴んだアスマは、
「ピンクの髪に碧眼の2丁拳銃、無慈悲なまでに相手を屈服させる、光属性魔法最高峰の使い手、聖女セリシア・ノートン様にお目にかかれる日が来るなんて、思っていませんでした! 偽物だの死んだだのとデマが出回っておりますが、直でお嬢の戦う様を見てお嬢が本物の聖女だと信じない人間なんていませんよ。お嬢に仕えられるなんて幸せです」
と、コチラが恥ずかしくなるセリフを大声で言った。
ヤバい、新興宗教立ち上げそうな勢いで崇拝されている。本当に勘弁して欲しい。