【コミカライズ企画進行中】捨てられ聖女は働かないっ!〜追放されたので念願のスローライフはじめます〜
「誰が兄よ!? こんなストーカーまがいのヤバい自称お兄さん断固拒否よ!!」
そして私の個人情報を売ったであろうシェイナを睨むが、
「いいじゃないですか? 私の服をあげるのも限界がありますし。何よりサイズの問題が」
自分の胸のあたりを見ながら、シェイナは少し寂しそうにそういう。
まぁ、確かに私はシェイナほど背が高くはないけれど、大きい分には特に問題なかったんだけれどなぁとため息をついた。
「まぁ、とりあえず。今日の大会が無事に終わることを祈ってる。僕も釣りって初めてなんだよね」
確か大きさの部門と捕獲量で競うんだっけ? となぜか参加する気満々のラウル。
「そうですねー。上位から賞品を選んでもらいますし、セリシア様もデート券目指して頑張ってくださーい」
と、当然のようにアルとのデート券を勧めてくる。私の気持ちはシェイナにはバレてしまっているんだけど、ラウルの前で言わないでほしい。
「いや、私は冷凍庫付き冷蔵庫目的なんだけど」
そう、アルが欲しいと言ったのは冷凍庫付き冷蔵庫で、私はそれを獲得してあげる約束したのだ。
仮に私が優勝したとしても、私はアルとのデートを選ぶことはできない。
(誰が、アルとデートするんだろう?)
そんなことが頭をよぎって、また胸の奥が苦しくなった。
「シアは、冷凍庫付き冷蔵庫が手に入ればいいんだよね?」
ラウルはそう言って微笑むと飲み終わったカップを置いて、私の方を見た。
「まぁ、そうね」
「じゃあ、僕が進呈するから大会に出る必要はないよね」
私は思わず息を飲む。私はラウルのこの目を知っている。
(しょうがないなぁ、は諦めたセリフじゃなかったか)
私が察したことを悟ったのだろう。ラウルはとても満足げな顔をして、準備も充分楽しんだだろうし、大会中なら邪魔も入らないだろうしと笑う。
立ち上がったラウルは私にそっと耳打ちをする。
「あの魔族について、話したいことがある。聞いておかないと、きっとシアは後悔するよ?」
ささやき終わったラウルはにこにこととても人の良さそうな顔をして、当たり前のように行こうかと私を促す。
「……何をしに行く気なの?」
「どこって釣りだよ。決まってるだろ?」
先日アルが負った怪我を思い出し、私は強く拳を握る。
(あの魔法には魔族対策がなされていた。当然、アルのことも把握済み、ってことね)
経験上、こういうときのラウルには逆らってはいけないと知っている私はとりあえず話だけでも聞こうと彼に従うことにした。
そして私の個人情報を売ったであろうシェイナを睨むが、
「いいじゃないですか? 私の服をあげるのも限界がありますし。何よりサイズの問題が」
自分の胸のあたりを見ながら、シェイナは少し寂しそうにそういう。
まぁ、確かに私はシェイナほど背が高くはないけれど、大きい分には特に問題なかったんだけれどなぁとため息をついた。
「まぁ、とりあえず。今日の大会が無事に終わることを祈ってる。僕も釣りって初めてなんだよね」
確か大きさの部門と捕獲量で競うんだっけ? となぜか参加する気満々のラウル。
「そうですねー。上位から賞品を選んでもらいますし、セリシア様もデート券目指して頑張ってくださーい」
と、当然のようにアルとのデート券を勧めてくる。私の気持ちはシェイナにはバレてしまっているんだけど、ラウルの前で言わないでほしい。
「いや、私は冷凍庫付き冷蔵庫目的なんだけど」
そう、アルが欲しいと言ったのは冷凍庫付き冷蔵庫で、私はそれを獲得してあげる約束したのだ。
仮に私が優勝したとしても、私はアルとのデートを選ぶことはできない。
(誰が、アルとデートするんだろう?)
そんなことが頭をよぎって、また胸の奥が苦しくなった。
「シアは、冷凍庫付き冷蔵庫が手に入ればいいんだよね?」
ラウルはそう言って微笑むと飲み終わったカップを置いて、私の方を見た。
「まぁ、そうね」
「じゃあ、僕が進呈するから大会に出る必要はないよね」
私は思わず息を飲む。私はラウルのこの目を知っている。
(しょうがないなぁ、は諦めたセリフじゃなかったか)
私が察したことを悟ったのだろう。ラウルはとても満足げな顔をして、準備も充分楽しんだだろうし、大会中なら邪魔も入らないだろうしと笑う。
立ち上がったラウルは私にそっと耳打ちをする。
「あの魔族について、話したいことがある。聞いておかないと、きっとシアは後悔するよ?」
ささやき終わったラウルはにこにこととても人の良さそうな顔をして、当たり前のように行こうかと私を促す。
「……何をしに行く気なの?」
「どこって釣りだよ。決まってるだろ?」
先日アルが負った怪我を思い出し、私は強く拳を握る。
(あの魔法には魔族対策がなされていた。当然、アルのことも把握済み、ってことね)
経験上、こういうときのラウルには逆らってはいけないと知っている私はとりあえず話だけでも聞こうと彼に従うことにした。