可愛く着飾って、もっと愛して〜強引でめちゃくちゃな私のクチュリエ様〜
「だからテキトーではない。ただ色を集めただけの奇抜性だけを狙ったドレスなんて品性を感じられない、…とハッキリ言った方がよかったか?」

「~…っ」

さらに鋭さを増した視線は空気を冷たくする、凍てくKAZUSHIの声に私も一成も凍ってしまったように何も言えなくて。

「ただ派手なだけだ」

KAZUSHIからはそう見えてるの?

私には光ってるように見えるのに。


そんな言い方…っ


「やっぱり駄目だな」

KAZUSHIがはぁっと息を吐いた、わざと大袈裟に吐いたみたいに思えた。

「相変わらず成長がない」

あの時も思ったけど、一成のことを話すKAZUSHIは瞳の色が変わる。

冷血で酷烈な言い方をする。


どうしてそこまで…

そんなに気に入らないの?一成のこと。


どうして…!


「それとも学祭のファッションショーで調子に乗ってるのか?あれも酷い出来だった、私が審査委員ならあのドレスは選ばない」

じわっと瞳が熱くなる感覚がした。

ぎゅぅっと一成を掴む手に力が入ってしまう、一成に伝わっちゃうかもしない。

だってひどいから、一成がどれだけ一生懸命だったか知らないのに!

ひたむきに服と向き合ってるのに…!!
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