可愛く着飾って、もっと愛して〜強引でめちゃくちゃな私のクチュリエ様〜
「…誰が言い出したのかわかんねぇけど、テキトーにネットで調べて言ったんだろ。俺がパリに留学してたから」

背中越しに一成が教えてくれる、いつもは自信に満ち溢れてるのにどこか弱々しくて寂しそうな背中だった。

「基本はパリのオートクチュールの主任デザイナーを指すんだ、クチュリエは」

「お、オートクチュール…?」

「…。」

わ、今舌打ちされた!背中越しにチッて聞こえた!

聞いたことあるけど、オートクチュールが何かはわからないんだもん。

「最高品質を求めて作る特注の仕立服だ」

高級品質…
そこを聞くだけでゾクッと身が引き締まる気がした。

じゃあパリのオートクチュールって…


それはそれは最高峰の、そこは私にもわかる。

パリには超有名なファッションショーがある、それくらい私でも知ってる。


「KAZUSHIのことを指す言葉だよ」


パリコレのデザイナーだ…っ!!!


すごい人だとは思ってたけど、言葉にされるともっとすごい…

すべての技術にセンス、ありとあらゆる才能がないと最高級の服は作れない。

KAZUSHIはそれだけの才能が、簡単に言うけど絶対簡単じゃない…
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