可愛く着飾って、もっと愛して〜強引でめちゃくちゃな私のクチュリエ様〜
「なんで一成がそんなこと言うの!?どうして自分を信じてないの!?いつも一成が言ってることでしょ…!」

涙がこぼれる、胸が熱くなって止められなくて。

「自信って自分を信じるって書くの!自信を持てって一成が言ってくれたから私…っ」

ポロポロ溢れた涙は頬を伝って床に落ちる、拭うこともする気になれなかったから。

「こんなすてきなドレスが作れるのにそんなこと言わないでよ…っ!」

次から次へと溢れて来る涙に視界が濁っていく、もう上手く前が見られなくて一成の顔もよく見えない。


でもきっと一成なら、もう一度私を見てくれるって信じてた。

「私のことは…っ、私のこと諦めるの!?諦めるなって言ったのはそっちでしょ!」

一成のことを信じてた。


「私は田所一成の専属モデルなんでしょ!!!」


信じていたかったのに。


「悪い…、モデルは解消だ」


胸に突き刺さる、息が止まるような感覚だった。

次の言葉を言おうとして口を開けたはずなのに、そのまま止まってしまって固まったように動けなくなる。


手が離されてしまった。


引っ張られて、引っ張ってもらってここまで来たのに… 


私はもういらないの?


スタスタと歩いて行く、振り返ることなく前を見て。

たった5歩だった距離が無情にも遠くなっていった。
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