可愛く着飾って、もっと愛して〜強引でめちゃくちゃな私のクチュリエ様〜
すぅっと息を吸った一成が私からゆっくり離れて両肩を掴んだ。

真っ直ぐ私の瞳を見つめて、視線を合わせるように体を曲げた。

「絶対成功させてやるよ」

その瞳は凛として、前を見据えてる。

「クリスタルドームのランウェイ、ナノに歩かせてやる」

「一成…」

ぐすっと鼻をすすって涙を拭いて、私も真っ直ぐ一成の方を向いた。

こくんと頷いて、笑ってみせる。

「私だって!」

背筋を伸ばして胸を張る。

「魅せてあげる、一成の服」

ニッと笑って、一成と見つめ合った。

ドキドキと心臓が音を出す、ワクワクして鼓動が抑えきれなくなる。


あぁそうか私、楽しいんだ。

一成のことを想えばドキドキして、ランウェイのことを考えればワクワクする。


どっちも私の大切なものなんだ。

誰にも譲りたくない、どっちも私のものだよ。
< 120 / 130 >

この作品をシェア

pagetop