可愛く着飾って、もっと愛して〜強引でめちゃくちゃな私のクチュリエ様〜
不敵に笑って見せたつもりだったのに。

「ハハハハハッ」

「!?」

「やっぱり君はいいな!私の専属モデルにならないか?」

「な、なりません!」

なぜかめちゃくちゃ笑われた。

しかもサラッと誘われたし!

陽気なおじさんのイメージ変えられないんだけど!?


だけど…



「私は田所一成の専属モデルなんで」



これも変えられないから、絶対に。


「じゃあ楽しみにさせてもらうよ」

被っていたハットを少し下げてフッと声を漏らした。

「楽しみだよ、本当に」

微かに漏れるような声は聞き取りにくくて。

「一成のこれからが、楽しみだよ」

でも次にハットを上げた時には笑っていたから、その顔は一成によく似ていた。

「オグラナノ楽しみにしてるよ!」

HAHAHAと高笑いをしながらじゃっと手を振って歩いて行く、何度会っても読めない人だなぁ…天才のことはよくわからない。

まぁでも私にできることをするだけだから。



行こう、歩くんだ。


私のステージへー…



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