可愛く着飾って、もっと愛して〜強引でめちゃくちゃな私のクチュリエ様〜
ワァァァァー…


とクリスタルドームに響く歓声は身体が揺れそうになるくらい響いて来る。 

でも深呼吸をして、軸のブレないように真っ直ぐ体を上から引っ張るように立ったら一度瞬きをして瞳に力を入れる。

もう前しか見ない。


自分を信じて、一成を信じて。



みんながこのドレスに魅了されえばいいー…!



テーマはクリスマス、年に1度のときめき溢れる様子をドレス全体で感じて。

光を放ちすべてを照らしてくれる、煌びやかで誰もが心踊るそんなクリスマスを。


聞こえる、拍手と歓声が届いて来る。


でもそれだけじゃないの、ここからがもう1つのクリスマス。


一成が思いを乗せたクリスマスー…



“クリスマスって苦手だったんだよな” 

“え、どうして?”

“あいつは毎年ショーだなんだっていなくて、母親もそれにうんざりしてたから”

“…そうなんだ、寂しいクリスマスだったんだね”

“あぁ、だから…”


ドレスを脱ぎ捨てたら、現れる漆黒の闇。


“母親を喜ばせたくてプレゼントにはカラフルな服を作ってた”



真っ暗になる、さっきまでの煌めきは消えて不安に襲われるような。


でも大丈夫、光はあるよ。

そっと胸に手を当てれば現れる1つの光り、一等星のように輝くペンダントは希望。


怖くないの、1人じゃないから。

いつでもそばにいるから。



これからあるのは未来しかないからー…
< 125 / 130 >

この作品をシェア

pagetop