可愛く着飾って、もっと愛して〜強引でめちゃくちゃな私のクチュリエ様〜

dress up4.)

足を肩幅の広さ開いて、そのまま足の指の力だけで前に進む。この時、すべての指1つ1つ動かす意識をするのがポイントでー…

「南乃何見てるの?」

「うわっ」

ひょこっと後ろから声をかけられたからびっくりして変な声が出ちゃった。イヤホンしてたから声も大きくなっちゃったし。

「驚き過ぎでしょ」

「実彩子、おどかさないでよ!」

「ちょっと話しかけただけだよ。何見てるの?スマホで…」

「あ、これは!」

次の授業が始まるまでの放課、机に座ってスマホで動画を再生してた。
ちょっとどんなのか見ちゃおうかなってそれはほんのちょっとの好奇心で深い意味なんかないんだけどっ

「モデルウォークの仕方?」

「違うの、これは!」

「ふーん、南乃やる気になったんだ?」

「なってない!全然なってないよ!?」

そーゆうつもりじゃない!なんとなくスマホ開いたら出て来ただけで!

…でもなんで出て来たかといえばたぶん、最近私がそんなことばかり検索してるからかもしれない。

なんて言えないけど。

「学祭ファッションショーのモデルかぁ」

「だからやらないけどね」

くるーっと回って来て前の席に座った。
 
「楽しそうでいいと思うけどなぁ」

「嫌だよ!そんな目立つことしたくない!」

「いいじゃん、可愛い服着れて」

「着たくないの!可愛い服とか!」

可愛い服が嫌いとかじゃないけど、そんな服私に似合うかわかんないし正直168センチあると服にはちょっと迷ったりするから。

「でもうちらのクラスはメイド喫茶だよ」

「それも憂鬱なんだけど…」
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