可愛く着飾って、もっと愛して〜強引でめちゃくちゃな私のクチュリエ様〜
メイド服ってふわっとしたスカートにヒラヒラの真っ白なエプロン、同じくヒラヒラのカチューシャを着けて…
 
「南乃似合ってるよ」

「…そう?浮いてない?大丈夫かな??」

「めっちゃピッタリ!黒縁メガネもドジっ子メイドって感じでいい!」

「勝手にキャラ設定付けないで!」

学祭に向けて少しづつ準備が始まる、私たちのクラスはメイド喫茶をすることになった。
そののための衣装チェック…こんな格好をするのは嫌いってことでもないんだけど、好きか?って言われたら好きでも…ない。

1つ嫌なことがあるとすれば…

「小椋でかくね?」

どこからか声が聞こえてサッと膝を曲げた。
メイド服に着替えるついでに厚底の靴を履くことになったからさらに背が高くなっちゃってもしかして男子より高いかもしれない。

こそっと隠れるように身を隠した、紛れるようになるべく背中を丸めて。

でも幸いね、ここからは得意なの。

ちょっと背をすぼめれば簡単に紛れ込ませることができるから。

「ナノ、いるか?」
 
わ、この声は…!
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