可愛く着飾って、もっと愛して〜強引でめちゃくちゃな私のクチュリエ様〜
メイド服からドレスに着替える、メイド服だって着ることないけどドレスはもっとない。
ただでさえ緊張するのに、こんなドレス…本当に私でいいのか袖を通すたびに不安になった。

「サイズはピッタリだな!」

申し訳なさのが勝ってしまって恐る恐る更衣室から出た。

これってどう立ってたらいいんだろ?やっぱ背筋伸ばす感じかな、でも動きづらくてどの態勢が正解なのかわからない。

「胸を張れ」

「!」

田所一成が背中をグッと押した。ピンッと背筋を伸ばすように触れて、ドキッと変な汗が出そうになる。

「そのままでいろよ」

今度は私の前に立ち、上から下を下から上を隅から隅まで見て…
すっごいジロジロ見られてる、見てるのはドレスの方なんだろうけどそんなに見られたらドキドキしちゃうじゃんっ

「いいな、悪くない」

うんっ、と頷いた。

よ、よかったんだ…
これでよかった…

本当によかったのかな?でも私は…

「すてきなドレスだよ」

俯いても可愛い、たくさんの色たちがふわって視界に入って来るから。

「あたり前だ、俺が作ったんだからな」

「うん…だから、私にはもったいないと思う」
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