可愛く着飾って、もっと愛して〜強引でめちゃくちゃな私のクチュリエ様〜

歩くことには慣れて来た。

毎日歩いて、筋トレをして、姿勢には気を付けて、あと私に足りないのはみんなに見られながら歩き切る度胸…！

コツコツとハイヒールを鳴らしながら、一歩ずつ前に進む。歩くスピードも大事だからそこも意識して。

見られてる緊張からか、いつもよりちょっとスピードが速くなってる…かな？

いつももっと落ち着いて歩けたはずなんだけど、キャーって声がするたびに緊張が増していくから…

いやいや！
何も聞こえない！聞いてない！

そのキャー、私に向けてのキャーじゃないもん！

一成がいるから騒いでるキャーだもん、私には関係な…っ


「「「キャーーーー…っ」」」


突然大きくなった歓声にビクッと体が揺れる。

さっきよりもギャラリー増えたことない？

こんなに人いたっけ！？

周りを見るのも怖くて…

「わっ」

歩くことから気を背けちゃたから、リズムがズレて上手く踏み込めなかった。

ズルッとヒールが滑って…

「わぁっ」