可愛く着飾って、もっと愛して〜強引でめちゃくちゃな私のクチュリエ様〜
「南乃、学祭ファッションショー最優秀賞おめでとう!」

教室に入るや否や実彩子がパンッと手を叩いて駆け寄った来た。

「…ありがとう実彩子、もうそれ結構前に終わってるけどね?」

そう、実は学祭ファッションショーで一成の作品は見事最優秀賞に選ばれた。しかも私がモデルとして着たドレスが。

多くの人に注目されながらもう一度ランウェイを歩いて、嬉しさのあまり震えちゃいそうになった。
まるで私が私じゃないみたいで、スポットライトが眩しかった。

でもやっぱり有言実行してしまう一成はすごい。

「学祭の日も言ったけど、これおめでとうのプレゼント持って来たから」

「え、プレゼント?何何??」

はいっと渡された紙袋を覗いてみると可愛くリボンでラッピングされた、これは…

「ダイエットがんばってたじゃん?もういいかなーって思ってお疲れ様のクッキー♡」

「え、手作り!?」

「そう、ドレスとかハイヒールのクッキー型探したんだよ」

「実彩子…!ありがとう嬉しい!!」

モデルに誘われてからの2ヶ月ちょい、本気でやろうって決めたからはお菓子はもちろん食事制限はこだわってやって来た。クッキー久しぶり過ぎる、おいしそう。
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