可愛く着飾って、もっと愛して〜強引でめちゃくちゃな私のクチュリエ様〜
一成の手が私の首を支えるように強引に掴んだ。

ドキッ、っと心臓が音を出して。

鼓動は激しくなって、ドキドキが苦しくなる…

でももう逸らしたくはなくて。


「俺だって全然足りてねぇーんだよ」


一成の切れ長の目には私しか映ってなかった。

私の目にだって一成しか映ってない。

だってここには誰もいなんだから、一成と2人きりの教室もうどうにかなっちゃいそう。

「一成…っ」

潤んだ瞳で飛び込んだ。

一成の胸の中、ドキドキし過ぎて感覚なんて全然わからなかったけど。


「もっと愛してやるよ」


耳から入って来る声が体の中に沁み込んで溶けていく、目をつぶったら一成の顔が見えないけど感じるから。

唇から、体から、もう一成しか感じなくなる。

「…んっ」

「…っ」

もう少し、もう少しこのまま満たされるまで…誰も来ませんようにと心の中で祈った。


―ブーッブブーッ

「!?」


びっくりして息が横から漏れた。

なにっ、何の音!?てゆーかこれって…っ
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