可愛く着飾って、もっと愛して〜強引でめちゃくちゃな私のクチュリエ様〜
ランウェイが決まった…?

私が次に歩く…


はぁーーーーーーーーっ!?


「ちょっと待って、何それ!なんにも聞いてないんだけど!」

「今言ったんだから聞いてるわけないだろ」

「そうじゃなくて!私モデル…っ」

じゃない、もう違うって。
もう終わったことだと思ってたんだけど…

“俺の専属モデルになれ”

でも期間は聞いてなかった、あたり前に学祭ファッションショーまでの期間だと思ってた…

「私まだ一成のモデル…なの?」

驚き過ぎちゃって前のめりになった体をそのままに顔を上げる、一成の目を見て。

「他に誰がいるんだよ、ナノしかいないだろ」

「…っ」

私まだ終わってなかったんだ…
まだ諦めなくていいんだ。

胸が熱くなる、ふわって包まれるみたいに。

「つーかあれだけで終わりだと思うなよ!ちょっと歩いたくらいで何仕事しました感出してんだよ!」

「う、うん…」

こーゆうとこ本当クチュリエ様って感じだけど。

自信家で強引で全部自分の思う通りにしようとするの、でも…
そんな一成の誇りをもってファッションと向き合ってるところ、好きなんだ。

「未定だったショーの参加が正式に決まったんだ、これからまた忙しくなる」

「それはどんなショーなの?未定だったって学校の行事じゃなくて…」
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