可愛く着飾って、もっと愛して〜強引でめちゃくちゃな私のクチュリエ様〜
「でき…ないよ」

「は?」

「できないよ!そんなとこで無理だよ、ただの高校生だよ!?そんな大きなとこで歩けるわけない…っ」

学祭とはわけが違う、気軽に立てる場所じゃない。

私が歩いていい場所じゃないよ…っ

「勘違いするな、ステージに立つのはナノ1人じゃない」

俯きそうになった、両手を握りしめて力を入れて…
でも一成があまりに私を見る目が真っ直ぐだったから。

「ランウェイを歩くのはナノだけど、そこで着るのは俺の服だ」

真っ直ぐな視線は凛々しくて、ハッキリと出す声は力強い。


「俺がいる、自信を持て」


どうしてそんなに胸を張れるの?

私は一成みたいにはできないよ。

「…それ一成じゃダメなの?だってモデルでもあるんでしょ?」

「嫌だねやりたくない、俺はデザイナーのが本業なんだよ」

「……。」

なんつーわがままなクチュリエ様なのよ。

てゆーかあんな失礼なこと言っといてオファーしてくるKAZUSHIも何なの?どーゆうつもりなの??

「絶対いい服作ってやるから」

上から見下ろすように私を見る、背の高い一成からしたらこんなのいつものことなんだけど今日はどこか違って…

ううん、急にスイッチが入ったんだ。


「最高の服をナノに着せてやるよ」


それがすごく怖くて、その瞳は殺気を帯びてる。

殺るっ、やる気だ…!

ものすごくやる気だ、学祭ファッションショーより気合いが入ってる…!!!
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