可愛く着飾って、もっと愛して〜強引でめちゃくちゃな私のクチュリエ様〜
でもそれはわかる、私にも。

昨日はなぜか眠れなかった、目がギンギンに冴えちゃって。クリスタルドームでランウェイを歩くんだって思ったら今から興奮しちゃって。

だってスケールが違うもん、そりゃ怖気づいちゃうでしょ。


本当に私にできるのかな?

でもね、やりたいって思う私もいないわけじゃないの…


いるの、心のどこかには。

あんな大きなみんなの歓声を浴びながらステージでランウェイを歩いてみたいって。


「南乃、次体育だよ!体育館行こ!」

「あ、待って!今行く!」

ぼぉーっと考えてた頭を切り替えて、実彩子に呼ばれて机の横に掛けてあった体育館シューズの入った巾着を持って立ち上がった。

「今日の体育なんだろ?」

「え~っと、バレーは…こないだで終わったんだっけ?」

「南乃のモデルウォーク講座かな?」

「しないよ!?そんなの!!」

体育館へ行くには1度下まで降りて棟を渡って隣にある更衣室で着替えてから向かう、だからとりあえずは1番下まで階段を下りて行くんだけど…

「あ」

ふと下を見た時パチッと目が合ってしまった、階段を降りて来る一成と。

やば、つい声が出ちゃった…!
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