可愛く着飾って、もっと愛して〜強引でめちゃくちゃな私のクチュリエ様〜
そんな私に気付いてかニヤッと口角を上げて笑った。何かを企んでるような含み笑いで、その表情には嫌な予感しかなくて。

こ、ここは大人しく軽く会釈して通り過ぎるぐらいにしておこう。

だってみんないるし、普通に学校の階段だもん使ってる人たくさんいるんだから余計なことはしない!しないでほしい!

だからドキドキしないで私…

「落ちて来たら抱きしめてやるよ」

「な、何言ってんの!?落ちないし!」

ドキドキさせないでこんなとこで!!

顔を赤くする私を見てくすっと笑う、絶対わざとだ。
今のはわざと私を動揺させて楽しんでる…

フンッと目を逸らして遠くを見るように、むぎゅっと口をつぐんでなるべく平静も保って一成の隣を素知らぬ顔で通り過ぎようとした。


―ちゅっ

「!」


頬に当たる柔らかくて暖かい感覚…


一瞬過ぎてわからなかった。

ふっと近付いて離れたから、一成の唇が私の頬に。

「□×◎△~…っ!?」

何が起きたのかもすぐには理解が追い付かなくて何を言えばいいのか口ごもっちゃって。

「何してんの!?」

頬を押さえて隣を見た。
なのに笑ってるから、不敵な笑みで。

「こ、ここ学校…なんだけど!」

「昨日も学校だっただろ?」

「そ、そーゆうことを言ってるんじゃない!」

昨日のことを出される方がもっとやばい!

それは困る!!

どんどん顔が赤くなっちゃって、もうすでに注目を浴び始めてるのに。

てゆーか何もしなくても一成は注目の的なのに…!
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