可愛く着飾って、もっと愛して〜強引でめちゃくちゃな私のクチュリエ様〜
一成が私の前に立った。

変わらない眼差しは私だけを見て。

「ナノがいたら叶えられる、そう思った」

私がいたら…?

「俺の服を着てナノにクリスタルドームのランウェイを歩いてほしい」

もうずっと胸の鼓動は鳴りっぱなしで、うるさいくらい体を占領してるのにずっとそこにいてほしくて。

腕を引っ張られて飛び込んだと思ってた世界は、本当は自分の足で踏み込んだから。


こんな自分に会えるとは思わなかったよ。

会わせてくれたのは一成だった。


「うん…」

私も、歩いてみたい。

一成の服を着て、クリスタルドームのランウェイを。

「よろしくお願いします」

ちゃんとできるか不安はいっぱいあるけど、まだ怖い気持ちはあるけど、でも…

それが少しでも一成の力になれるなら嬉しい。


力になりたいの、一成の。


「がんばる、私も!もっと練習するから!」

微笑んだ一成にドキッと胸が音を出して、視線をそむけたくなる。
後ろは本棚、一成が手をかけて私を逃がさないように捕らえたから。

「…っ」

右にも左にも一成の腕と腕に囲われて、背中には本棚がピタッとくっ付いて。

目の前には一成がいる。

「こっち向けよ」

「ちょ、ちょっと近くない…?」
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