大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
 また三人の視線がセシリアに集まった。
「フェルトンか……まぁ、どこも似たり寄ったりだからな。だったら、領地から近いという理由で選んでもいいな」
 だけど、エレノアの視線は鋭い。まるでセシリアを睨みつけるかのよう。
「お姉さま。どうされました? お顔が、怖いです」
「セシリア。あなた、視えてるの?」
「はい? お姉さまの顔ならばっちりと見えています」
「違うわよ。もしかして、未来が視えているの?」
 間違いなく、焦った気持ちが顔に出た。しまったと思った瞬間、両親が驚いた表情をしたからだ。
 七歳の女児に演技など、どだい無理な話だ。ずばりと指摘されたら、誤魔化せない。
「エレノア、どういうことだ? セシリアには未来視が備わっていると?」
「おそらく。セシリア自身は気づいていないかもしれませんが……」
 そこでエレノアは説明を始めた。
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