大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
 わけがわからず、セシリアはコテンと首を横に倒す。
「こういうときは俺の腕をとるんだよ。コンスタッドがやっていただろ?」
 どこからか先ほどのコンスタッドとエレノアのやりとりを見ていたにちがいない。
 セシリアもそれを思い出し、小さな手でシオンの腕をつかんだ。
 開放感あふれるサロンへと彼を案内すると「お茶の用意をしてきますので、お待ちください」と言って、また厨房へと向かった。
 さすがにセシリアが言ったり来たりしている様子を見た使用人の一人が「私がお持ちしますよ」と言ってくれたので、セシリアは先にサロンへと戻ることにした。
「お待たせして申し訳ありません。今、お茶の用意が整いますので」
 真っ白い丸いテーブル。彼の真向かいに座ってはみたものの、何をしゃべったらいいのかさっぱりとわからない。
「セシリア。おまえ、年はいくつだ?」
「七歳です。もう少しで八歳になります。シオンさまは?」
「十三だ……うん、十年後に結婚しよう。俺はおまえが気に入った」
 なぜ急に結婚の話になるのか、セシリアにはさっぱりわからない。
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