大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
「はぁ? バカ王子じゃん」
「げ、賢者のばばぁ。おまえ、アッシュクロフの王都に行くって言っていたよな? なんでここにいるんだ」
「お二人とも、お知り合いですか?」
 セシリアはきょとんとして、二人を交互に見やった。
「俺の魔法の師匠だ」
「私のバカ弟子のひとり」
 どうやら師弟関係にあったようだ。
「モリスもどうぞ。喉が渇いたでしょう? お菓子もありますよ」
「さっすがセシリア、やさし~」
 そう言って、モリスはシオンとセシリアの間に座る。
「セシリア、ばばぁに親切にしてやる必要はない」
「でもモリスは、セシリアの魔法の先生です」
「そうそう、セシリアは私のかわいい生徒。どこかのバカ弟子とは大違いよ」
< 45 / 53 >

この作品をシェア

pagetop