大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
(それが突然、イライザに聖属性の魔力が出現するのだったわね)
 魔法の基本属性は四属性であるが、そこに属さない特別な属性がある。それが聖と闇で、そのなかでも聖属性を扱える者は聖女とか聖人とか呼ばれていた。聖属性の魔法は治癒の力であるためだ。
 エレノアが王城に暮らすようになって半年後、イライザに聖属性の力が出現し、国王も王妃も手のひらを返したかのようにイライザを目にかけるようになる。さらに、エレノアにはジェラルドとの婚約解消をせまり、とうとうそれをエレノアとケアード公爵家は受け入れるのだ。そしてイライザはジェラルドの婚約者の座にまんまとおさまる。
 しかしジェラルドを忘れられないエレノアはイライザに対抗するために、禁忌魔法とも呼ばれている闇魔法に手を出した。そしてイライザと対峙するのだが、もちろんエレノアの力はイライザには敵わなかった。
 そこでエレノアもあきらめればよいものの、イライザを亡き者にするために、あの手この手を使い、彼女の飲み物に毒を仕込むが、イライザの口に入る前に気づかれる。聖魔法は自身の治癒はできないと言われているため、イライザもそういったことには人一倍、警戒していたのだろう。
 エレノアが禁忌魔法に手を出したときは、イライザの温情で刑を免れたが、聖女を殺そうとした罪は重い。そのため、エレノアは処刑されるのだ。
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