大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
 セシリアだって微妙な気持ちだ。エレノアには幸せになってもらいたいけれども、ロックウェル王国には行ってほしくない。
 だが、砂糖の件もあるから、エレノアもあと数年はフェルトンの街にいるだろう。
「また、遊びにいらしてください」
 エレノアの華やかな声に、コンスタッドも顔をほころばせた。
「シオンさまも、また来てください。それまでには、新しいお菓子とお砂糖を考えておきます」
「わかった。楽しみにしている」
 シオンはぽんぽんとセシリアの頭をなでる。
「では、ケアード公爵。十年後には、この国とセシリアをもらうからな」
 そう言ってシオンは、コンスタッドと一緒に馬車へと乗り込んだ。
 父親は驚き、大きく目を見開いていたが、セシリアにはその言葉の意味がさっぱりとわからなかった。

【完】


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