キミの隣が好き
(どうしよう。会うつもりじゃなかったから、プレゼント持ってこなかった! 缶バッチ一個って……)
水都へのプレゼントは、マグカップ。正直どうなんだろうって、気持ちはある。けれど水都はなんでも持っていそうで、考えつかなかったのだ。
「あのね! 本当は今日、来るつもりじゃなかったんだ。水都の体調が良くなってからって思っていたから……。でもバイトのお姉さんが、お見舞いに行ったほうがいいって缶バッチをくれて。その缶バッチがサンタさんの絵だから、今日渡したいなって……。だからその、プレゼントを持ってきていないんだ。ごめんね。別な日に渡すね。だから水都も、今日じゃなくていいよ。同じ日にしよう」
水都はしばらく黙っていたが、考えがまとまったようで、マスクの奥から声を出した。
「僕は今日、プレゼントを渡す。ゆらりちゃんからも、今日もらう」
「えーっ! じゃあ、家に戻って取ってくる!!」
「ううん。大丈夫」
「じゃあ、これで……」
コートのポケットから缶バッチを取り出す。
この缶バッチは、某飲料メーカーのおまけでついてきたもの。水都に会う口実として美月さんが用意してくれただけなので、クリスマスプレゼントと言うにはおこがましい。
水都は缶バッチを受け取って眺めた後、持っていたラッピング袋を開けた。中に入っていたのは、ピンクのチェック柄のマフラーと、グレー色の手袋。
水都は私のコートフードを下げると、マフラーを首にかけてくれた。
「ありがとう! マフラー、欲しかったんだ!」
「良かった。ゆらりちゃんから、欲しいものがあるんだ」
「え? でももう……」
缶バッチはあげたし、マグカップを取りに家に戻らなくてもいいという。
なにが欲しいんだろう?
困惑する私を、水都はまっすぐに見つめてきた。
「ゆらりちゃんが好き。今までも好きだったし、これから先もずっと好きでいる自信がある。僕の彼女になってください。……告白の返事が欲しいです」
水都へのプレゼントは、マグカップ。正直どうなんだろうって、気持ちはある。けれど水都はなんでも持っていそうで、考えつかなかったのだ。
「あのね! 本当は今日、来るつもりじゃなかったんだ。水都の体調が良くなってからって思っていたから……。でもバイトのお姉さんが、お見舞いに行ったほうがいいって缶バッチをくれて。その缶バッチがサンタさんの絵だから、今日渡したいなって……。だからその、プレゼントを持ってきていないんだ。ごめんね。別な日に渡すね。だから水都も、今日じゃなくていいよ。同じ日にしよう」
水都はしばらく黙っていたが、考えがまとまったようで、マスクの奥から声を出した。
「僕は今日、プレゼントを渡す。ゆらりちゃんからも、今日もらう」
「えーっ! じゃあ、家に戻って取ってくる!!」
「ううん。大丈夫」
「じゃあ、これで……」
コートのポケットから缶バッチを取り出す。
この缶バッチは、某飲料メーカーのおまけでついてきたもの。水都に会う口実として美月さんが用意してくれただけなので、クリスマスプレゼントと言うにはおこがましい。
水都は缶バッチを受け取って眺めた後、持っていたラッピング袋を開けた。中に入っていたのは、ピンクのチェック柄のマフラーと、グレー色の手袋。
水都は私のコートフードを下げると、マフラーを首にかけてくれた。
「ありがとう! マフラー、欲しかったんだ!」
「良かった。ゆらりちゃんから、欲しいものがあるんだ」
「え? でももう……」
缶バッチはあげたし、マグカップを取りに家に戻らなくてもいいという。
なにが欲しいんだろう?
困惑する私を、水都はまっすぐに見つめてきた。
「ゆらりちゃんが好き。今までも好きだったし、これから先もずっと好きでいる自信がある。僕の彼女になってください。……告白の返事が欲しいです」