キミの隣が好き
鈴木ゆらりと、由良水都。
名前が似ているのを、男子によくからかわれていた。この日も、からかわれた。
「ゆらりがミナトと結婚したら、由良ゆらりになる! ゆらゆらり。おもしれぇーー!!」
「二人はいつ、結婚するんですかぁ?」
「もう結婚していたりしてぇ⁉︎」
腹を抱えて笑っている男子たち。私はいつもどおりに無視する。水都だって、無視していた。
それなのに、この日は違った。水都は、ふざけている男子たちの前に立った。
「こんなのでおもしろがっているなんて、レベルが低すぎる。これ以上ゆらりちゃんをからかうなら、先生に言うよ。なんなら、校長先生や教育委員会に訴えてもいい」
「なっ⁉︎」
「ただの冗談だし!!」
川瀬杏樹が、ツンとした表情で尋ねた。
「ねぇ、聞きたいんだけど。由良くんは、ゆらりちゃんのことをどう思っているの?」
「好きだよ」
「どのくらい?」
「……ボクが、鈴木水都になってもいいと思うぐらい」
男子は意味がわかっておらず、ポカーンとした顔をした。しかし、杏樹は苗字が変わる意味を理解したらしい。怒りで顔がみるみる赤くなった。
私を避けていた乃亜が慌ててやってきて、耳打ちした。
「やばいよ! 杏樹ちゃん、怒っている。由良くんと友達やめるって言ったほうがいいよ!!」
乃亜が私のことを心配してくれた。そのことが嬉しくて、私は水都よりも女友達を選んだ。
「水都なんて、嫌い! 大っ嫌い!! 絶交する。一生、絶交だから!! もう二度と、私に話しかけないで!!」
こうして、一方的に絶交した。
その日水都は早退し、次の日からしばらく学校を休んだ。
私は杏樹から許してもらえて、また乃亜と遊べるようになった。クラスの女子たちとも普通に話せるようになった。
けれど、心に大きな破片が突き刺さったかのように、ズキズキと痛かった。
三年生になり、私と水都は別々のクラスになった。そのことに、私はホッとした。
五年のクラス替えでも、別々のクラスになった。
その後。水都は、中学受験を受けて私立に行った。
私たちは離れ離れになった。
水都は私立中学で、私は市立中学。高校で再会する可能性は考えなかった。水都の通う私立中学は、エスカレーター式で高校に進めるからだ。
それなのに、なぜか水都は県立高校に入ってきた。それも、県内で二番目の偏差値の学校に。
高校の入学式で私たちは再会し、クラスメートになった。
名前が似ているのを、男子によくからかわれていた。この日も、からかわれた。
「ゆらりがミナトと結婚したら、由良ゆらりになる! ゆらゆらり。おもしれぇーー!!」
「二人はいつ、結婚するんですかぁ?」
「もう結婚していたりしてぇ⁉︎」
腹を抱えて笑っている男子たち。私はいつもどおりに無視する。水都だって、無視していた。
それなのに、この日は違った。水都は、ふざけている男子たちの前に立った。
「こんなのでおもしろがっているなんて、レベルが低すぎる。これ以上ゆらりちゃんをからかうなら、先生に言うよ。なんなら、校長先生や教育委員会に訴えてもいい」
「なっ⁉︎」
「ただの冗談だし!!」
川瀬杏樹が、ツンとした表情で尋ねた。
「ねぇ、聞きたいんだけど。由良くんは、ゆらりちゃんのことをどう思っているの?」
「好きだよ」
「どのくらい?」
「……ボクが、鈴木水都になってもいいと思うぐらい」
男子は意味がわかっておらず、ポカーンとした顔をした。しかし、杏樹は苗字が変わる意味を理解したらしい。怒りで顔がみるみる赤くなった。
私を避けていた乃亜が慌ててやってきて、耳打ちした。
「やばいよ! 杏樹ちゃん、怒っている。由良くんと友達やめるって言ったほうがいいよ!!」
乃亜が私のことを心配してくれた。そのことが嬉しくて、私は水都よりも女友達を選んだ。
「水都なんて、嫌い! 大っ嫌い!! 絶交する。一生、絶交だから!! もう二度と、私に話しかけないで!!」
こうして、一方的に絶交した。
その日水都は早退し、次の日からしばらく学校を休んだ。
私は杏樹から許してもらえて、また乃亜と遊べるようになった。クラスの女子たちとも普通に話せるようになった。
けれど、心に大きな破片が突き刺さったかのように、ズキズキと痛かった。
三年生になり、私と水都は別々のクラスになった。そのことに、私はホッとした。
五年のクラス替えでも、別々のクラスになった。
その後。水都は、中学受験を受けて私立に行った。
私たちは離れ離れになった。
水都は私立中学で、私は市立中学。高校で再会する可能性は考えなかった。水都の通う私立中学は、エスカレーター式で高校に進めるからだ。
それなのに、なぜか水都は県立高校に入ってきた。それも、県内で二番目の偏差値の学校に。
高校の入学式で私たちは再会し、クラスメートになった。