キミの隣が好き
中二の春休み。公園でたまたま、佐藤乃亜に会った。ゆらりちゃんの一番の友達。
佐藤乃亜から、ゆらりちゃんの希望している高校名を聞いた。その日から僕は、その高校に行きたいと思うようになった。
僕は私立中学に馴染めなかったし、体調不良も重なって、出席日数がギリギリだった。
僕は、環境を変えるために県立高校に進学したいと訴えた。両親は「名門校に入ったのに……」と嘆いたが、僕にはそれよりも大切なことがある。
ゆらりちゃんに会って、謝罪したい——。
僕は弱虫だ。ゆらりちゃんが川瀬杏樹たちに嫌がらせをされているのを知りながら、助けられなかった。
川瀬に「意地悪するのはやめてほしい」と何度も訴えた。けれど川瀬は「そんなことするわけないじゃない。誤解だよ」と笑ってはぐらかした。僕はそれ以上きつく言えなかった。
しかしそれが、絶交という最悪な事態を招いてしまった。
「みなっちはかっこいいよ。私のヒーローだもん」
幼稚園のとき。ゆらりちゃんは笑いながら、そう言ってくれた。
それなのに僕は、大好きな女の子を守れなかった。ヒーローになれなかった。そのことが、心に暗い影を落とした。
そんな僕を哀れに思ったのか、神様が味方をしてくれた。高校でゆらりちゃんと同じクラスになったのだ。
それなのに、ゆらりちゃんは僕を見ない。挨拶もしてくれない。
ゆらりちゃんは僕を許していないことを、思い知った。
僕は泣きながら、【つぶラン】に投稿した。
【ん@supenosaurusu・4月9日
人生って全然甘くなかった。苦さに溺れそう】
【ん@supenosaurusu・4月11日
僕ってダメ人間】
絶望の日々に、イライラが加わる。僕のことをかっこいいと騒ぐ女子たちに、うんざりする。
僕は見た目がいいかもしれない。でもそれは、両親からもらった容姿のおかげで、僕自身は全然かっこよくない。
ゆらりちゃんに話しかけるのが怖くて、見ていることしかできない。僕は相変わらず弱虫で、こんな自分、ゆらりちゃんが嫌うのは当然だ。
佐藤乃亜から、ゆらりちゃんの希望している高校名を聞いた。その日から僕は、その高校に行きたいと思うようになった。
僕は私立中学に馴染めなかったし、体調不良も重なって、出席日数がギリギリだった。
僕は、環境を変えるために県立高校に進学したいと訴えた。両親は「名門校に入ったのに……」と嘆いたが、僕にはそれよりも大切なことがある。
ゆらりちゃんに会って、謝罪したい——。
僕は弱虫だ。ゆらりちゃんが川瀬杏樹たちに嫌がらせをされているのを知りながら、助けられなかった。
川瀬に「意地悪するのはやめてほしい」と何度も訴えた。けれど川瀬は「そんなことするわけないじゃない。誤解だよ」と笑ってはぐらかした。僕はそれ以上きつく言えなかった。
しかしそれが、絶交という最悪な事態を招いてしまった。
「みなっちはかっこいいよ。私のヒーローだもん」
幼稚園のとき。ゆらりちゃんは笑いながら、そう言ってくれた。
それなのに僕は、大好きな女の子を守れなかった。ヒーローになれなかった。そのことが、心に暗い影を落とした。
そんな僕を哀れに思ったのか、神様が味方をしてくれた。高校でゆらりちゃんと同じクラスになったのだ。
それなのに、ゆらりちゃんは僕を見ない。挨拶もしてくれない。
ゆらりちゃんは僕を許していないことを、思い知った。
僕は泣きながら、【つぶラン】に投稿した。
【ん@supenosaurusu・4月9日
人生って全然甘くなかった。苦さに溺れそう】
【ん@supenosaurusu・4月11日
僕ってダメ人間】
絶望の日々に、イライラが加わる。僕のことをかっこいいと騒ぐ女子たちに、うんざりする。
僕は見た目がいいかもしれない。でもそれは、両親からもらった容姿のおかげで、僕自身は全然かっこよくない。
ゆらりちゃんに話しかけるのが怖くて、見ていることしかできない。僕は相変わらず弱虫で、こんな自分、ゆらりちゃんが嫌うのは当然だ。