竜族に生贄として捧げられたはずが、何故か花嫁として溺愛されています!? ――――青き竜は、不遇な令嬢をひたすら甘やかしたい
「この人は、誰?」
「それは」
「知ってるなら教えて、ルベリア。もしかしたらイーヴの……恋人、なのかな」
きっと知れば傷つくことが分かっているのに、それでも知りたいと思ってしまうことにシェイラは苦い笑みを浮かべる。
ルベリアはしばらく逡巡するように唇を噛んでいたけれど、やがて決意したような表情で顔を上げた。
「恋人ではないわ。……この子はね、シェイラの前にラグノリアから迎えた花嫁よ」
「え……」
シェイラは思わず言葉を失う。自分と同じ状況にあった女性。イーヴの花嫁だった女性。
ドレージアに来てから、シェイラ以外の人間に出会ったことはない。彼女は今、どうしているのだろう。
痛ましげな表情を浮かべながら、ルベリアはため息をつく。そして写真を取り上げるとシェイラの手を引いた。
「シェイラも、事情を知っておくべきかもね。あたしの知る範囲のことで良ければ説明するから、部屋に戻りましょう。床に座り込んだままする話じゃないわ」
そう言われて、シェイラは小さくうなずくと立ち上がった。
「それは」
「知ってるなら教えて、ルベリア。もしかしたらイーヴの……恋人、なのかな」
きっと知れば傷つくことが分かっているのに、それでも知りたいと思ってしまうことにシェイラは苦い笑みを浮かべる。
ルベリアはしばらく逡巡するように唇を噛んでいたけれど、やがて決意したような表情で顔を上げた。
「恋人ではないわ。……この子はね、シェイラの前にラグノリアから迎えた花嫁よ」
「え……」
シェイラは思わず言葉を失う。自分と同じ状況にあった女性。イーヴの花嫁だった女性。
ドレージアに来てから、シェイラ以外の人間に出会ったことはない。彼女は今、どうしているのだろう。
痛ましげな表情を浮かべながら、ルベリアはため息をつく。そして写真を取り上げるとシェイラの手を引いた。
「シェイラも、事情を知っておくべきかもね。あたしの知る範囲のことで良ければ説明するから、部屋に戻りましょう。床に座り込んだままする話じゃないわ」
そう言われて、シェイラは小さくうなずくと立ち上がった。