竜族に生贄として捧げられたはずが、何故か花嫁として溺愛されています!?  ――――青き竜は、不遇な令嬢をひたすら甘やかしたい
 部屋に戻ると、ルベリアはソファに座るようにと促す。この部屋の主はシェイラのはずなのに、ルベリアは慣れた手つきでお茶を淹れてくれた。

「さて、何から話せばいいかしらね」

 カップを傾けつつ、ルベリアが考えるように首をかしげる。どんな話がくるのか分からず、シェイラは身構えてしまってお茶を飲む気にもなれない。

「あの子は――ソフィって名前だったかな。イーヴの花嫁として迎えられた子だったの。長い黒髪が印象的な、おとなしい子だったわ。あたしは、そこまで親しくなかったんだけど」

 記憶を辿るように遠い目をしながら、ルベリアはゆっくりと語り始める。
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