竜族に生贄として捧げられたはずが、何故か花嫁として溺愛されています!?  ――――青き竜は、不遇な令嬢をひたすら甘やかしたい
「いいこと思いつきました!」

「そんなに無理して考えなくてもいいのに……。でも、シェイラが何をくれるのかは気になるな」

 くすくすと笑うイーヴに向けて、シェイラは満面の笑みを浮かべた。

「私の身体を好きにしていいですよ、イーヴ」

「そっちか」

 額に手をやってため息をつくイーヴ。何だか既視感のあるやり取りだけど、今日こそは引かないつもりだ。

「大丈夫です、食事も睡眠もしっかりとったから体調は万全だし、痛いのだって覚悟はできてます」

「そういうのは、もう少し雰囲気とかあるだろ……」

「いい雰囲気なんて、どうやって作るか分かんないんだもの」 

「いや、だからシェイラ、あ、ちょ、待て……っ」

 呆れたようにため息をついていたイーヴだけど、シェイラが彼のガウンに手を伸ばした瞬間、慌てたように声をあげた。

「ね、私を抱いて?」

「……っ、シェイラ、だめだ」

 伸ばした手を、イーヴが止めるように握りしめる。その手は熱いし、見上げた彼の顔も真っ赤だ。
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