竜族に生贄として捧げられたはずが、何故か花嫁として溺愛されています!? ――――青き竜は、不遇な令嬢をひたすら甘やかしたい
竜はすごい速さでどんどん空高く飛んでいく。振り落とされないように両手でたてがみを掴んでいるものの、乗り心地は案外悪くない。顔に当たる風は冷たく凍えそうなほどだけど、マントに包まれた身体はほっこりと暖かい。
「雲を抜けるから、少し目を閉じていろ」
ちらりと振り返った金の眼が、シェイラを確認するように見つめる。人の姿をしていた時も今も、獲物を狙うかのような冷たい光をしているのに、何故か怖くない。言われた通り目を閉じると、目蓋の裏に二つの月のような金色が残った。
ぶわりといっそう強い風が顔に当たるのを感じて、シェイラは更に強く目を閉じる。だけどそれも一瞬のことで、風が止んだと思ったら、明らかに空気が変わったことに気づく。頬を撫でる空気は柔らかく、先程までの冷たさが嘘のようだ。
「もう、いいぞ」
その声に恐る恐る目を開けたシェイラは、目の前に広がる光景に思わず息をのんだ。
「雲を抜けるから、少し目を閉じていろ」
ちらりと振り返った金の眼が、シェイラを確認するように見つめる。人の姿をしていた時も今も、獲物を狙うかのような冷たい光をしているのに、何故か怖くない。言われた通り目を閉じると、目蓋の裏に二つの月のような金色が残った。
ぶわりといっそう強い風が顔に当たるのを感じて、シェイラは更に強く目を閉じる。だけどそれも一瞬のことで、風が止んだと思ったら、明らかに空気が変わったことに気づく。頬を撫でる空気は柔らかく、先程までの冷たさが嘘のようだ。
「もう、いいぞ」
その声に恐る恐る目を開けたシェイラは、目の前に広がる光景に思わず息をのんだ。